『愛読の方法』 前田英樹著

無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 批評家として自らも多くの本を書いている著者が、冒頭から、プラトンや中島敦の文章を引いて「文字」の害を入念に説く。見得みえでする読書は人を間抜けに見せること。話された言葉と違い、文字にされた言葉は魂から遊離した符号になること。行き着く先が、目の前の人間を見ずスマホの電子文字だけに集中する「文字」の極みであること。

 書かれた文字ほど、安易に信じられがちで危険という指摘は耳が痛い。逃れる方法は、何度でも読むに足る優れた本を、愛して読むことだという。江戸時代に儒学者伊藤仁斎が『論語』を「最上至極宇宙第一」とたたえ、論ずるより熟読に徹した姿を例に出す。

 繰り返し読んだ古典がどれだけあったか。今からでも愛読書は見つけられるか。不勉強が身にしみる。(ちくま新書、760円)(央)

51243 0 記者が選ぶ 2018/12/05 05:25:00 2018/12/05 05:25:00 2018/12/05 05:25:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181127-OYT8I50066-T.jpg?type=thumbnail

おすすめ記事

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ