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    理屈っぽい恋の心理戦

    頭脳明晰な高校生のラブコメ『かぐや様は告らせたい』赤坂アカ

     「恋愛は告白した方が負けなのである!」――。週刊ヤングジャンプ(集英社)で連載中の『かぐや様はこくらせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』は、偏差値とプライドは高いのに恋には疎い高校生たちが、相手に告白させるために仕掛ける駆け引き・策略を描いたラブコメディーだ。心の声についうなずき笑ってしまうはず。高校生に戻って、あるいは見守る気分で恋愛バトルを楽しんでみてはいかが。

     「好き同士の2人が帰り道に、お互い決定的な言葉を引き出そうとする。こういう青春時代を送りたかったなと思いつきました」。作者の赤坂アカさんはそう語る。「頭が良いのに、小学生みたいな恋をする。そのギャップがかわいい」


    欠点を笑いで肯定

     物語の舞台は、名門の私立秀知院学園。主人公は、財閥の令嬢で生徒会副会長の四宮かぐやと、会長の白銀御行しろがねみゆき。2人とも頭脳明晰めいせきで一目置かれる存在。ひかれ合っているのにプライドが邪魔をして、「好きになった方が負け」と、相手にどう告白させるかということばかりを考えている。

     体育倉庫に閉じこめられた白銀とかぐや。互いに優位に立とうとする2人の掛け合いには「つり橋効果」など心理学的な現象も盛り込んでいる (c)赤坂アカ/集英社


     周囲には完璧に映る存在だが、実はかぐやは世間知らずの箱入り娘。白銀も虫や歌、運動が徹底的に苦手と、恋に限らず何かと“ポンコツ”だ。赤坂さんは「欠点があった方が人間らしい。みんなが持つちょっとした弱い部分や醜い部分を笑いに転化して肯定したい」。

     仕事場をのぞくと、心理学の本が何冊もあった。連載にあたり、何冊も読んだという。「人間はどういう心理で動いているのか、知れば知るほど面白い」。理屈っぽい2人だけに発言や心の声の分量は多い。「頭がいいと思っている人ほどごちゃごちゃ考えてるんだろうなと思うんですよ」

     毎週18ページ描くのに、まずシナリオを文章で書いてから、ネーム(コマ割り)を作り、原稿化する。表と裏の心理状態がテンポ良く読めるのは「明確なオチを作り、極力いらないコマを省き、リズムを作っている」から。「お可愛かわいいこと」というかぐやのお決まりのセリフさえ、絵の雰囲気や言い方を変化させながら使っている。いかに読者を楽しませるか。緻密ちみつな計算のもとに成り立っているのだ。

    憧れ膨らませて

     赤坂さんは高校生の頃からマンガを描き始め、本作は今のペンネームで3作目。「本当はシリアスな話を描く方が好きなんです。なんでラブコメを描いてるんだろう」と苦笑する。「おかげで箱庭みたいに物語を俯瞰ふかんして見られる」。自身や周囲の恋愛経験も参考にしているが、「リアルな恋愛感覚では描かず、みんなが『あるある』と共感できるように、恋愛に対する憧れやイメージを膨らませて描いています」。

     青年誌での連載だが、「読者を絞りたくない」と、描かれる恋愛はあえて純粋にした。場面が膠着こうちゃくしないように、生徒会に、主人公2人の思惑をぶち壊す役として、天然キャラの書記・藤原や、根暗の会計・石上らも加えた。全員がボケとツッコミができる関係性で、絶妙なシチュエーションコメディーに仕上がっている。

     連載は100回を超え、単行本(既刊10巻)の累計部数は240万部に。テレビアニメ化も決まるなど勢いに乗っている。男性ファンが多いが、女性にも読んでもらいたいという。

     今後は白銀がガツガツ攻めに出る展開になるという。「読者に笑顔を提供できるのが一番。同じパターンを求める読者もいるかもしれないが、コメディーは飽きられてはいけない。常に新しさ、変化を追求したい」(川床弥生)

    2018年07月05日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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