『レ・ロマネスクTOBIのひどい目。』 レ・ロマネスクTOBIさん

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人生いつでもリセット

「レ・ロマネスク」のTOBIさん
「レ・ロマネスク」のTOBIさん

 他人の不幸は蜜の味、とは明らかに違う。あまりに奇想天外な「ひどい」体験談は笑いを誘い、読者を元気にさせる。ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で連載された人気対談をまとめた一冊だ。

 「そもそも、自分がひどい目に遭っていることに全然気づいていなかった。笑いながら話していただけなので」。全身ピンクのスーツ姿で現れ、目を丸くする。対談相手の奥野武範さんからタイトルを聞き、初めて自覚したという。数々の試練をくぐり抜けた猛者ならではの強さか。はたまた、鈍感なだけなのか。

 音楽デュオ「レ・ロマネスク」のボーカルとしてライブ活動などを行うが、ここへ至る道のりは険しかった。慶応大卒業後、入社する会社が次々に倒産。バイトに明け暮れ、留守中に空き巣が自宅アパートに住み着いたことに22日間も気づかなかった。人生をリセットするために向かったパリでも、到着して7日目に銀行強盗と鉢合わせして拳銃を突きつけられた――。

 「一生懸命に生きているだけなんですけど」と苦笑い。トラブルの種類は様々で、頼まれたら断れない奇特な性格が裏目に出ることも。「目の前の課題しか考えられないタイプで、選択肢が二つあったらなぜか悪いほうを選んでしまう。そのうちに本来の目的を見失っちゃうんです」

 七転八倒するうちに自然と運気は上向いた。大富豪に気に入られたり、映画「男と女」で知られる俳優で歌手のピエール・バルーと同居したりと、その過程も独特だ。「人生は何とかなる。みんなも我慢せず、いつでもリセットボタンを押せばいい」と力強い。

 珠玉のエピソードが満載で、早々に重版が決まった。熱く支持されているようだが、続編の予定は? 「もういいです!」。そこはきっぱりと否定した。(青幻舎、2000円)

 淵上えり子

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177201 0 著者来店 2019/01/29 05:20:00 2019/01/29 05:20:00 2019/01/29 05:20:00 「レ・ロマネスク」のTOBIさん https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190121-OYT8I50023-T.jpg?type=thumbnail

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