評・鈴木幸一(インターネットイニシアティブ会長CEO)

『喜劇としての国際ビジネス』 ダニエル・レヴィン著

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 「何が狂ってるかと言って、これが全て実話だという事実以上にイカれた話はないだろう。いずれも過去二〇年間、私自身が地球の隅々まで行って実体験してきたことだ」

 法律家として、金融リテラシーの教育プログラムや政治的包摂をテーマに、アフリカなどの発展途上国、中国、ロシアなど、各国の政治家や役人と接し、コンサルを実施してきた著者が、カリカチュアとしか思えない苦い体験をまとめたものである。

 国連からIMF、米国の国務省に至る役人の無責任な生態、アフリカに援助という名の資金をばらまき続ける中国の政治家の振る舞い、プーチンという<エンペラー>の政策実現のため謎の行動をするロシアの政治家、援助資金が政治家の懐にブラックホールのように吸い込まれていくアフリカ、一つ一つが荒唐無稽な喜劇としか思えなくなってきて、善悪を超えて笑い飛ばすほかなくなる。時に、優れたスパイ小説を感じさせる挿話もあるのだが、援助という名の資金の、杜撰ずさんな流れを国際ビジネスとしている現場のお話。読後、苦い笑いだけが残る体験談である。松田和也訳。

 創元社、1800円 

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6342 0 書評 2018/02/12 05:20:00 2018/02/12 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180206-OYT8I50010-1.jpg?type=thumbnail

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