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    読売新聞の読書委員らによる書評のコーナーです。
    評・宮部みゆき(作家)

    『60歳からも犬や猫と幸せにくらす本』 犬と猫とシニアのくらしを考える会著

     一昨年、二十歳近くまで長生きしてくれた茶トラ猫を亡くし、しばらく泣き暮らした後、よく似た顔と毛並みの子猫に出会って飼い始めた。そのとき、このコも前の茶トラと同じように長命であって欲しいけれど、そうなったら私もニア八十代なのだ、ちゃんと世話してあげられるだろうかと一瞬だけ躊躇ちゅうちょした。

     同様の理由で、シニアライフを豊かにしてくれるであろうペットを飼うことに踏み切れずにいる、あるいは既にペットと「老々共暮らし」の状態にあり、先々の不安が頭をよぎる、そんな方々に本書をお勧めしたい。どんなペットを選ぶか(犬、猫、ウサギやハムスターなどの小動物)、ペットのしつけ、注意しなければならない病気などの基本的なことから、「ペットを手放す判断」「ペットと一緒にホームに入れるか」「自分が入院するときペットはどうしたらいい?」などの疑問へのアドバイスが具体的にまとめられている。シニアとペットの問題を主に扱った本はありそうでなかったから、本書は貴重だ。ねこまきさんのイラストと書き下ろしマンガも愛らしくてたまらないのです。

     KADOKAWA、1400円

    2018年09月17日 05時21分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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