『世界史のなかの文化大革命』 馬場公彦著
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輸出された熱狂と混乱
1966年から10年にわたった「文化大革命」は今も謎が多い。中国では政治的な理由で、文革の研究公開も、文革を公式の場で語ることも禁じられている。海外でも、文革を中国一国内で完結する事件と見る傾向が強く、国際的な視野に立つ論考は少ない。本書は、文革を20世紀の世界史の流れから大局的に見直す新しい文革論である。
1965年、インドネシアで「9・30事件」が起きた。この、中国黒幕説もある陸軍左派によるクーデターは、一日で鎮圧されたが、影響は大きかった。その後の「赤狩り」による虐殺の犠牲者は50万とも100万とも言われ、華僑への迫害も起きた。
中国の毛沢東は、大躍進運動や人民公社で大失敗し、主導権を劉少奇やトウ小平らに握られていた。9・30事件の1年後、毛は実権を取り戻すため、文革を発動した。9・30事件失敗の教訓から、権力内部の奪権闘争ではなく、下からの大衆動員という新方式を採用した。
軍のトップである
文革の
インドネシア、中国、そして世界を巻き込んだ革命の熱狂は、
◇ばば・きみひこ=1958年生まれ。専門は東アジア論・日中関係論・メディア論。中国伝媒大名誉教授。
平凡社新書 920円












