『雑誌に育てられた少年』 亀和田武著

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 亀和田武は、いつだって編集長だ。劇画アリスからテレビのワイドショーまで「基本は全部ポップカルチャー」だと受け入れる。それゆえ、彼の半世紀にわたるコラムを集めた本書は、裏表紙の注記がなければ雑誌と見まがう。

 「エロ雑誌の編集者」でありながら、いや、だからこそ歌舞伎からロレンス・ダレルまで森羅万象、ありとあらゆるジャンルに貴賤きせんなしと書き散らす。その姿勢をヴァラエティ・ブックが体現する。

 それは、雑誌カバーから小説まで雑多な文章をさまざまなレイアウトで並べた雑誌のような本。四百ページ近い言葉は気合と品性から生まれる。

 前回の東京五輪の前後、亀和田は中高生だった。華やかな高度成長のイメージがある当時だが、彼は「屈折をこじらせていくだけの寂寞せきばくとした時期」を過ごした。

 しかし同時期、伝説のSF同好誌に掲載された彼の書評には、若書きの魅力がある。

 SFという宇宙にはじまり「猥褻わいせつ屋」として、地べたで「孤独な闘い」を続けるポップカルチャーのクールな情熱に何度でもヤケドしたい。

 以上です、編集長!(左右社、2750円)

60552 0 書評 2019/01/21 05:22:00 2019/01/30 13:33:59 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190117-OYT8I50012-T.jpg?type=thumbnail

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