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評・柴崎友香

一大決心したカナダ留学のため休みを取り部屋も解約したのにコロナ禍で中止。テレビの仕事はキャンセル、妹一家の家へ。その時間に作り始めた羊毛のブローチ集と、エッセイ集『50歳になりまして』(文芸春秋)。年齢による身体や立場の変化、人と比較されがちな仕事の中で
その目のよさと丁寧さが、ブローチの素敵な造形につながっている。細部を見るほどまさにときめく。土井たか子やメルケル独首相など女性政治家の似顔ブローチが多くあるのは、子供の頃から戦う女性が好きだった話と通じる。歯列矯正を始めると「勇気をもらいました」とファンレターが来たそう。はい、私もこの2冊に励まされました。やってみることの大切さと面白さが詰まっている。(文芸春秋、1650円)