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    最新刊に関する充実した書評です。

    『木のものづくり探訪 関東の木工家20人の仕事』 西川栄明著 写真・渡部健五

    • 任性珍さんの栃造ボウル(c)Kengo Watanabe
      任性珍さんの栃造ボウル(c)Kengo Watanabe

     静かに光を受けたとちわんに浮かぶ、あでやかな模様。ハケでさっと金を載せたようにも見えるが、人の手によるものではない。二つとして同じものがない、それぞれの木の生きてきた証し、木目だ。

     群馬県安中市に工房を持つ韓国出身の木漆工芸家、任性珍イムソンジンさんがロクロでいた椀。著者の西川栄明たかあきさんは「任さんが作り出す器には、丁寧な拭き漆仕上げと相まって、木が醸し出す豊かな表情がにじみ出ている」と記す。

     大学の探検部出身で北海道に暮らす西川さんは、森林や木工、木育など、木をテーマとした取材・執筆をライフワークにしている。本書は木を素材に家具や器などを作る、こだわりの作家とその作品を、美しい写真とともに紹介するシリーズの5作目。北海道や信州、関西などに続き、関東在住の作家を紹介する。

     木と語らい、魅力を引き出し、再び命を吹き込む。たくみの技と生き方に、共感をもって迫っている。(創元社、2400円)(松)

    2018年02月05日 05時30分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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