完了しました
まずは、架空の設定による思考実験をしてみましょう。次のような「通販サイトX」があったとします。このサイトは正直なサイトでしょうか? それともちょっとずるいサイトでしょうか? タイトルから結論はバレていると思いますが(笑)、少々お考えください。
ポイントが多くつくのは魅力だけど…

【通販サイトXの特徴】
・サイトXでは商品を現金やクレジットカードなどで直接購入することはできない。
・利用者はサイトXの「月額会員」になり、毎月定額を支払ってサイト内で使えるポイントを購入する。
・利用者は購入したポイントを使って、商品を購入する。
・サイトXには、「1ポイントは1円に相当」と説明書きがある。ポイントの有効期限は1年間。
・支払い月額によって三つのコースがあり、サイトXでは各コースについて次のような説明をしている。
◇3000円コースでは3900ポイントを付与。 900ポイント分お得!
◇5000円コースでは6500ポイントを付与。1500ポイント分お得!
◇2万円コースでは2万6000ポイントを付与。6000ポイント分お得!
どうでしょう? 1ポイントが1円に相当し、3000円で3900ポイントをもらえるならば、お得なような気もします。しかもコースの値段が上がるほどに、お得感も増すような感じがしますね。でも、結論から言えば、サイトXはちょっとずるいサイトだと思います。その理由を以下、説明しましょう。
まず「3000円コースでは3900ポイントを付与。900ポイント分お得!」という表記について考えてみましょう。3000円支払って3900ポイントがもらえて、それが「900ポイントお得だ」と言うには、前提として1ポイントが1円に相当するという事実が必要です。「1円=1ポイント」という等式が事実として成立して初めて、3000円と3900ポイントを比較して、「900ポイントお得」だと言えます。
サイトXに「1ポイントは1円に相当します」と書いてあったとしても、それでは本当かウソか判然としません。事実として「1円=1ポイント」だと証明されなければなりません。では、1円が1ポイントに相当すると、事実として言えるためには何が必要でしょうか?