完了しました
ビジネスチャットやSNSのスタンプが広まり、メールを書くハードルが上がった気がします。業務連絡など決まった形で送る時はともかく、お

そんな時の助けになりそうなサービスを見つけました。文章執筆AI「 ELYZA Pencil 」(イライザペンシル)。東大発のスタートアップ「ELYZA」が開発し、この春から無料で公開されています。
締め切りに遅れたお詫びメールを作ってみる

ニュース記事、メール、職務経歴書の三つがあり、まずは、メールを試してみます。キーワードを8個まで選ぶことができ、締め切りに遅れたという設定で、次のような言葉をいれてみました。
「締め切り」「遅れる」「お詫び」「もうしません」「反省」の五つを入れて、利用規約に同意。AI執筆スタートボタンを押すと、あっという間に、図1のような文章が表れました。
大学などのゼミ生が締め切りの遅れを詫びるメールのよう。「もうしません」といった稚拙な言葉が影響したのかも……。

社会人っぽく、「もうしません」を「申し訳ありません」と修正し、「上司」と新たに加えたところ、部下の失敗を詫びる上司風のメールの文章(図2)に変更されました。「十分気をつけます」が「十分に注意いたします」に変更されています。芸が細かい!
宛名も違うので、文章をそっくりそのまま送ることはないにせよ、「失念しておりました」とか「取り急ぎ、お詫びを申し上げます」といったくだりは使えそう。使えるフレーズを思い出すのに役立ちそうです。
「勤務を同僚に交代してもらったお礼」とか、「クレームに対する返答」など、様々なシチュエーションを妄想して試すと、イライザ太郎が頑張って「それっぽい」文章を作ってくれます。
AIはどこまで進んでいるのか、聞いてみた

それにしても、いったい、どうやってAIがメール文を作っているのか不思議です。イライザの代表取締役CEOの曽根岡侑也さん(31)に聞きに行きました。
AIがどこまで進んでいるのか、曽根岡さんによると「顔認識などの画像処理に比べて、言語AIの精度は低いと言われてきました。確かに4年前までは、言語AIは人間に遠く及ばなかったのですが、いまや大きな技術的な進化を遂げて、人をしのぐまでになってきています」と解説します。
ターニングポイントになったのが、2018年にグーグルが発表した「BERT」という自然言語処理(NLP=Natural Language Processing)の仕組み。それまでは、文章の単語の並びを前から後ろへ一方向しか認識できなかったものが、双方向から処理ができるようになり、「文脈」や「流れ」を予測できるようになりました。つまり、与えられたキーワードから、AIが流れを類推して文章を作れるようになったそうです。