メタバースで知り合った彼とゴールインしたMさんの話

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デジライフ編集長 東一真

 以前、デジライフ面で 「メタバース」について特集 しました。メタバースとは仮想現実(VR)上の空間です。そのなかで人は、アバターという仮想の姿で生活し、人々と交流することができるのです。

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 その記事を書くためにクラスター社というメタバース空間を提供している会社のCEO(最高経営責任者)の加藤直人さんにインタビューしました。その際に、加藤さんはおっしゃいました。「メタバース空間上で、デートしたり恋愛したりする人もいるんですよ」――。

 本当かなあ、と私は疑いました。だって、メタバース上では、アバターの姿でアバターと交流するわけです。姿だけでなく声も変えられます。男性が女性の声でしゃべることだってできるのです。極端な話、相手が男性なのか女性なのかも、何歳なのかもわかりません。ましてや、顔も身長もスタイルも皆目わかりません。そんな状態で、人が人を好きになれるでしょうか?

メタバース上、年齢も顔も職業も知らなかった

 ところが最近、メタバース上で知り合った男性と結婚したという女性にお会いしました。2019年に私どもで開催した デジライフ読者勉強会 を手伝ってくださった方で、ここではMさんとお呼びしましょう。現在はIT関連のベンチャー企業に勤めている方です。

知り合ったころのMさんと夫のアバター。白いネコがMさんで、黒いネコが夫。お互いネコだったのは偶然という
知り合ったころのMさんと夫のアバター。白いネコがMさんで、黒いネコが夫。お互いネコだったのは偶然という

 Mさんは、クラスター社とは別の「VRChat」というメタバースのサービスを使っていました。そこで、いろいろな人、つまりアバターと話しているうちに、話も気もあう男性のアバターと知り合いました。2019年の7月のことだそうです。声で男性だとわかったそうですが、その時は、年齢も顔も職業も何も知りませんでした。お互いに猫のアバターだったからです。

 「メタバース上の出会いって、マッチングアプリと正反対なんですよ。マッチングアプリだと、まず見た目や、職業、年収とかで相手を選びますけど、メタバース上では、相手の感性と性格以外は何にもわからないんです」(Mさん)

喫茶店で会ったら、アバターの時と同じ印象で一安心

 お互いに現代美術やテクノロジーアートが好きで、メタバース上で、ふたりで作品を見にいったりしているうちに、親密になっていきます。休みの前日の夜から次の日の朝まで、メタバースでずっと話をしていたこともあったそうです。そして、その年の10月には、「リアルに会おう」ということになり、東京都世田谷区の下北沢(若者に人気のスポットですね)の喫茶店で待ち合わせすることになりました。

 「心配でした。リアルな相手を見て失望するんじゃないかと思ったし、相手の年齢もわからないんです。私の方がずっと年上だったらどうしよう、と心配でした」(Mさん)

リアルに知り合ってからのふたりのアバター。写真から自動でアバターを生成してくれるサービスを使ったという
リアルに知り合ってからのふたりのアバター。写真から自動でアバターを生成してくれるサービスを使ったという

 約束した喫茶店に行って実際に会ってみたら、相手の印象はメタバースでアバターとしてつきあっていた時と全く同じで、何の違和感もなく話ができたそうです。「最初は、お互いに免許証を交換して、本当の名前とか年齢とかを確認しあいました」とMさん。気にしていた年齢も相手が自分より1歳年上だと判明してほっとしたそうです。相手がAI(人工知能)関連のエンジニアだと、そのとき初めて知りました。リアルな交際を重ねて、ふたりは昨年3月に結婚したそうです。

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3051422 0 デジタルコラム 2022/06/04 17:00:00 2022/06/04 17:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220525-OYT1I50120-T.jpg?type=thumbnail

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