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ザウルスからiPadへ
1990年代に、携帯型情報端末として普及した、シャープのザウルスを覚えているでしょうか。文字入力は手書き認識で、簡単な絵も描けました。当時としては斬新な機器で、93年に初号機を購入して以来、何世代も買い替え、せっせと入力したものです。
その後も、種々の手書き関連機器・アプリを試し、今でも、手書きでメモをしたり、アイデアを絵で描き留めたりしています。

上を見れば、本格的な絵や写真の制作・加工用に高性能の機器・アプリは多い。でも、筆者の場合、なるべく手持ちの機器を生かしてどこまでできるかが基本。数年前から主に使っているのは、アップルのiPadとApple Pencilです。
ペン入力にまず求めるのは、反応の良さです。書いた時にすっと線が画面に正確に表示されるか。ここで時間の遅れがあると、長さや形に影響が出ます。漢字の「止め」や「はね」も、しにくくなります。楽器演奏や話をする時、スピーカーから出てくるモニター音と自分の演奏や声との間でずれがあると調子が狂いますが、書く時でも同じです。iPadでは、専用のペンを使うことで、位置検知能力や精度が高くなっているようです。指や
ペンが使える機能、アプリも充実
手書きを活用した機能やアプリも、iPadでは進化しています。例えば、ペンで画面右下から中央へ線を引くように動かすと、手書きメモが現れます。即座にペンで書き込めるし、文字も認識してくれる。ブラウザーでは、検索欄に手書きで記入すると、文字認識し検索候補が現れます。片手にペンを持ちながらいつでも何かできる、そんな感覚に近くなっています。
アプリで多用しているのは、エバーノートとその手書きアプリ「Penultimate」、日本のMetaMoji社の「MetaMoji Note」です。特にエバーノートでは、キーボード入力と写真、手書きのメモを混在させることができて便利です。
他にも魅力的なアプリは多く、あれこれ試すのですが、問題は、情報が散らばってしまうこと。手書き入力アプリはそれぞれ独自の形式があり、ワープロや表計算ファイルのように他のアプリで開いたり、編集したりするのは簡単ではありません。自分で整理法を考えて実行しないと、「あのメモはどこにあったっけ?」といったことが起こりがちです。
一番確実なのは、使うアプリを一つに絞ること。でも、それを見極めるまでに時間がかかるし、その間に好みが変わることもあるのも悩みの種です。
アンドロイドは今後に期待、PCは……
一方のアンドロイドタブレットは、機種によって描画性能はまちまち。もちろんタッチパネルとして指を使う通常の操作は問題ないけど、
この春、描画性能を特長の一つとする「BOOX」を手に入れ、使っていますが、専用のペンとアプリを使うと細かな文字も反応よく書けるものの、それ以外の組み合わせではやはりもたつきが出ます。この部分の性能向上により、アンドロイド端末の活用の幅は広がると期待しています。

PCでは、数千円のタブレット(ペンタブ)が多く出ています。大学に通う子供は、PDFの書き込みに必要だからと、最近ペンタブを使い始めました。こちらは追従性はよいものの、目は画面に、手はペンタブと別々のため、紙の上のようにはうまく字が書けないとぼやいています。加えて、ペンの検知エリアが小さいので、画面上では動きが拡大されることも違和感を感じさせます。ここは慣れが必要のようです。