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    30代、40代女性の恋の悩みに、恋愛・結婚・人間関係コンサルタントの木村隆志さんがアドバイス。

    「32年間恋人なし」の女性。一人でいいと思っていたけれど

    父の病で急激に訪れた不安

     毎年、数か月に一度のペースで、「恋愛経験がありません」という30代女性からの問い合わせがあります。驚くことに、実際に会ってみると、自ら「そういうふうには見られない」と話す普通の女性ばかり。なぜ彼女たちは30代になるまで交際経験がないのでしょうか? そして、どんなことをすれば、交際や結婚を引き寄せられるのでしょうか?

     今回の相談者・菜奈さん(仮名、32歳)は、仕事と趣味を優先させ、恋愛・結婚とは縁のない日々を過ごしていました。しかし、父親が病で倒れたことをきっかけに、心境の変化が生まれたようです。

     菜奈さん「20代前半のころは、ぼんやりと『恋愛できたらいいな』『いつか結婚できるのかな』と思っていましたし、チャンスもいくつかあったのですが、だんだん『ずっと一人だろうし、それでいいや』と感じるようになりました。それから仕事と趣味に没頭してきましたし、実際楽しかったので、そのことに後悔はありません」

     木村「30代になるまで交際歴のない人は、友人や家族にも話せなくて、徐々に悩むことすらしなくなって、『一生このままでいいや』と自分に言い聞かせるように納得させる人が多いものです。でも、何かのきっかけで猛烈な不安に襲われることがあるのですが、菜奈さんもそうではないですか?」

     菜奈さん「父親が倒れたことで、猛烈な不安に襲われてしまいました。幸い手術が成功して今は自宅療養していますが、倒れたときの父親は小さく見えましたし、逆に母親は頼もしく見えたんですよ。あらためて『両親は夫婦だったんだな』と思いましたし、『私もこれから年老いていく中で、そういう人がいたほうがいいかもしれない』と感じました」

     木村「では、なぜ今まで誰とも交際をしなかったのですか? 自分では何が原因だと思っているのか教えてください」

     菜奈さん「原因は一つではなくて、いろいろあると思います。あまり女性らしい服や化粧が好きではないのでモテないですし、仕事や趣味に没頭して、それがけっこう充実していたことも関係あるかもしれません。それと、私は研究職で周りが男性ばかりなので、合コンとかに誘ってくれる同僚がいなくて出会いがなかったというのもあります」

     木村「学校や職場の男性から声をかけられることはありませんでしたか?」

     菜奈さん「誘ってくれた人は4人くらいいましたし、そのうちの2人とは食事に行きました。でも、私も相手も気持ちが盛り上がらないまま、自然消滅してしまったんですよ。自分に自信がないので、男性とどう接したらいいのか分からなくて……」

    「無理しない」という無理をしていた

     木村「没頭していた趣味とは、どんなものですか?」

     菜奈さん「私は宝塚(歌劇団)が(すご)く好きなのですが、ミュージカルなどの観劇全般が最大の趣味ですね。観劇が好きな人の集まるグループがあって、そこには何人か男性もいるのですが、30代の独身はほとんどいません。でも、だから気軽に話せるんですけどね」

     木村「没頭できる趣味があるのは素晴らしいことですが、恋愛・結婚の願望があるのなら、そのせいにはしないほうがいいでしょう。『趣味を楽しみたい』『恋愛・結婚がしたい』という二つの願望を両立させることはできますし、それを本気でやろうと思っていなかっただけのことですから。菜奈さん自身の中に不安や怖さがあって、恋愛・結婚を遠ざけていたという気持ちはありませんか?」

     菜奈さん「不安や怖さのような気持ちはあったと思いますし、それをごまかすために仕事や趣味に没頭したところも確かにありました。でも、それなりに楽しかったし、『無理をしていた』というほどではないんですよね」

     木村「それは考え方が逆で、恋愛・結婚がしたいのなら、最初は多少の無理をしなければ何も始まらないものです。その意味で菜奈さんは、『自分の恋愛・結婚願望を隠す』という無理をしていたことになりますし、その状態に耐えられなくなったから、こうしてコンサルを受けに来たのではないでしょうか」

     菜奈さん「恋愛・結婚願望を隠すという無理ですか……それはおっしゃる通りかもしれませんね」

     木村「恋愛・結婚に限らず仕事や友人関係なども含め、人間が何かを始めるときには多少の無理が必要なものですが、菜奈さんはこの数年間それをしてこなかった気がします。『今、自分が居心地のいい場所にいる』ことだけが人生ではありません。この先も続く人生をより楽しく、不安の少ないものにしたいのなら、自分の願望には正直に向き合うようにしましょう」

     菜奈さん「私自身、『変わらなければいけない』ということですね」

     木村「人間は変わっていないように見えて、実際は心身ともに日々変わっています。一年一年、確実に加齢していきますし、周囲の人々や風潮も変わっていく中、現在のような『一人でもいい』という生き方を貫くのは難しいでしょう」

     菜奈さん「でも、同年代の男性とうまく話せないですし、自分に恋人がいる姿がうまくイメージできないんですよね……」

     木村「自分に合う出会いの場所を選んで、コミュニケーションの取り方を工夫すれば問題ないでしょう。同年代の男性と会話する機会を増やせば慣れていきますし、距離が近付くほど『もしこの人が恋人になったら』とイメージできるものなので、こちらも問題ありません」

     菜奈さん「その出会いの場所とコミュニケーションの取り方を教えてください」

    ――交際経験のない30代の菜奈さんは、どんな出会いの場所で、どんな会話の工夫をすればいいのでしょうか。

    2018年08月06日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
    プロフィル
    木村 隆志   (きむら・たかし
    コンサルタント/コラムニスト。ティーンから中高年世代まで、幅広い年齢層の相談を受け続け、コンサル数は対面だけで通算2万組超。また、各メディアに毎月20本強のコラムを寄稿している。『独身40男の歩き方』(CCCメディアハウス)のほか、『40歳からはじめる 一生の恋人の見つけ方』(同文館出版)、『話しかけなくていい! 会話術』(CCCメディアハウス)、『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)、『好感度がアップする プラスひと言会話表現605』(こう書房)、『友活はじめませんか? 30代からの友人作り』(遊タイム出版)などがある。
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