「キレる相手は夫だけ」のはずが…元ヤンキーの主婦、都会のスーパーにブチ切れ寸前

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 親も友達もいない孤独な都会で、子育てに奮闘する元ヤンキーのアッコさん。地方出身の彼女からすれば、都会の暮らしそのものが孤独に拍車をかける敵に見えることもあるそうで……。人気コラム「元ヤン子育て日記@TOKYO」の第3回です。

 東京に出てきて、極力キレる相手は夫だけにしておこうと思っていた私だが、娘を出産した後、最初にキレかけた相手は、都会のスーパーだった。

売り場に並んだ野菜。「た、高い……」
売り場に並んだ野菜。「た、高い……」

 「ほうれん草が180円!?」。ムムム。高い。東京に越してきた後、しばらくは最寄りのスーパーを利用していたが、肉も野菜もどう考えても、地元に比べていちいち高い。ざっくり言えば、地元なら3000円で調達できた食料が4500円ぐらいする。

 娘が生まれる前は「都会だからまぁ、しょうがないか」と思っていたが、子育てにはいろいろ出費がかさむ。物価の高さはストレスになった。

カートもイライラの原因に
カートもイライラの原因に

 待つのがとにかく嫌いな私にとって、レジに並ぶ長蛇の列も苦痛だった。列で詰めてくる人もいて、背中にコツンコツンとショッピングカートを押し当てられた日には、思わず後ろを振り返り、「おい!」と言いたくなる。

 親になってみて初めて気づいた。人混みの中に赤ちゃんを連れて行くって結構な一苦労だ。防衛本能みたいなものなのか、人との距離が気になって、イライラも5割増しになる。

 そういえば、東京に来て、初めて泣いたのも、そのスーパーからの帰り道だったと思う。

 その日はたまたまベビーカーを持たずに外出した。抱っこヒモで娘を胸に抱き、両手で重い荷物を持って、家まで15分の道のりをてくてく歩く。急に怒りがこみ上げてきた。

 「つ~か、東京はなんでスーパーに行くだけでこんなにしんどいの?」

 なんだか、自分が自分じゃないような気がしてきて、歩いてる人、全員が敵に見えてきて……。気づけば、泣きながら歩いていた。

 その日は、夫が仕事から帰ってきた瞬間、怒りをぶちまけてストレスを発散した。

 「自分は職場の人と話せるからいいやん。疎外感とか感じたことないやろ。勝手に東京に連れてきて、私は話す相手が娘しかおらんのやで」

 突然、玄関で罵声を浴びせられた夫は、申し訳なさそうに「ごめん」と謝った。

 でも、家に入るなり、靴下を裏返したまま脱ぎ捨て、「今日、ハンバーグ?」と能天気なことを言う。てか、そのひき肉も、地元のスーパーと比べると1・5倍もしたんですけど!! ため息もでない。

 翌日、一晩寝て少し頭もスッキリした私は、いつまでも泣いていられないと、スマホで区内のスーパーをググってみた。すると1軒、家からすぐ近くに激安スーパーがあるのを発見した。

 あぁ、なんで最初から検索してみなかったの……自分のバカ。なんて思いつつ、数日後、私は激安スーパーに向かった。

 でも、やっぱりここも人が多い。しかも店が狭い! 人とすれ違うのも一苦労。今、肩ぶつかったよな? おい、カートで足踏んでるよ? またイライラしてきた。やっぱり東京なんてろくなことない。

 と思った直後。野菜に目をやると、

 「ほうれん草 100円」

 値札を見た瞬間、気持ちが少し楽になった。明日からはここに来よう。

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの26歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と1歳の長女と3人暮らし。

無断転載禁止
1062626 0 子育て 2020/02/20 11:02:00 2020/02/21 14:35:30 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/20200213-OYT1I50030-T.jpg?type=thumbnail

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