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夫との“銭闘”経て小遣い制に…結婚後初めての「自分のお金」で描く夢

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 独身貴族なんて言葉がありますが、結婚して自由にお金が使えなくなった、と感じる人も少なくないのではないでしょうか。自由奔放すぎる青春時代を送ってきたアッコさんもその一人で、毎年、夫と“銭闘”を繰り返してきたそうなのですが……。人気連載「元ヤン子育て日記@TOKYO」。今回のテーマは、お金と自分と家族の関係についてです。

夫が宣言「欲しいものは小遣いで」

都会の街歩きだけでは我慢できなくなって……
都会の街歩きだけでは我慢できなくなって……

 夫の転勤で東京に引っ越してきた時、一番驚いたのは、人の多さだった。地元と比べてオシャレな美男美女も多い。当時は街を歩くだけで楽しくなって、ついつい、きょろきょろとあたりを見回していた。

 感動したのは街で見かける芸能人! この前は、人気イケメン俳優が自宅近くを自転車で走っていた。夫は「下町に住んでいるわけない」と言うけれど、絶対にあのイケメンはそうだ。

 東京にはテレビで見たものがたくさんあった。

 新宿、表参道、六本木、代官山……思いつくところには全部行ってみたくなって、夫の手を引いていろんな場所へ行った。都会を歩く自分が(うれ)しくて、それだけで大満足。「スゲー! スゲー!」と目を丸くすることばかり。

 ただ、やっかいなことに、ここにいると、次第に街歩きだけじゃ満足できなくなり、買い物がしたくなる。オシャレなお店がありすぎるのだ。

 何枚か素敵(すてき)なお洋服を買ってもらった。でも、不思議なもので買えば買うほど、欲しいものは増えていく。

 私「今年は寒いのでコートが必要です」
 夫「いえ、昨年買ったものを今年も着る約束でした」
 私「子どもの成長に合わせて動きやすいコートが必要になったのです!」

 こんな調子で我が家ではシーズンごとに夫婦間で洋服交渉が起きていた。

 ところが、去年の冬、この交渉が初めて撤廃された。なんの心境の変化か、夫が「毎月お小遣いをあげるから、それで必要なものはそろえて」と言い始めたのである。

自分のお金、使い道考えるとワクワク

自由に使えるお金ができた!
自由に使えるお金ができた!

 給料日の朝、夫はスマホを操作してお金を振り分ける。

 家計の厳しさは前にも書いたとおり。
 家賃や食費、保険料、光熱費、通信費に加え、娘のための貯金と月々の借金返済、夫のお小遣い。残った3万円で日々の生活で生じる雑費をまかないつつ、「残りをお小遣いにしてもいい」というのが夫の提案。とことん無駄を切り詰めれば、ママ友とのランチ代はもちろん、洋服代や化粧品代、美容院代もなんとかなるかもしれない!!

 というわけで、今まで以上に節約を意識するようになった私だが、久しぶりの「自由に使えるお金がある環境」はやっぱり最高だった。

 なにせ、独身時代は自由すぎる生活を謳歌(おうか)した身である。新作コスメも洋服も「これ、欲しい!」って思えばすぐ買っていたし、美容院にも月に1度は行っていた。お金が欲しければ夜の街に働きに出ればいい。夫と同棲(どうせい)し始めて、昼の仕事に就いてからも、「自分のお金は自分のお金」。お金を理由に真剣に悩むことはなかった。

 その幸せは結婚と同時に失われた。「働かなくていい!」と喜んだのもつかの間、お金と自分の関係ががらりと変わった現実に直面した。私のお金は家族みんなのもの。300円の靴下を買うにも躊躇(ちゅうちょ)する生活を続けてきたのだ。

 でも、今は無敵だ。独身の頃より少ないけど、家族公認の「自分のお金」が手元にある。「何に使おうか」と考える時はやっぱり楽しくて、あれを買おう!いや、これも欲しいな、と考えた末、ある百貨店で見つけた高級バッグに狙いを定めた。
 お値段なんと12万円なり。1年近くお小遣いから貯金すれば何とか手が届くはず……だ。

オシャレで都会的ではないけれど

自宅で居酒屋気分…休日の夜食は楽しみの一つだ
自宅で居酒屋気分…休日の夜食は楽しみの一つだ

 「おはよう!」
 休日の朝、私たち夫婦は娘にのしかかられて目覚める。朝食をサッとすますと、掃除と買い出しは午前中に終わらせ、昼食作りへ。夫婦の定番はインスタント麺にたくさんの野菜、そして夫お手製の「にんにくバター」をのせてできる野菜ラーメンだ。

 夫は昼食中、思い出したかのように「午後からどっか出かける?」と聞いてくる。

 出かけたいなぁー……。今年は我慢の春だったし、久々にショッピングも楽しみたい。だけど、節約して()めたお小遣いはようやく6万円までいったところだ。「……疲れているだろうし、近所でいいよ!」。先日もいたわるように見せかけて、やんわり断った。

 午後からのお決まりは近所の公園。葉っぱを手にご満悦の娘を「パパによこせ!」と追いかける夫。ゲラゲラ笑いながら逃げる娘を動画で撮影する私。みんな、パジャマみたいな格好だ。

 休日の夜の楽しみは、娘を寝かしつけた後の夜食タイム。冷ややっこにキムチをのせてごま油で食べたり、枝豆をニンニクとオリーブオイルで(いた)めて食べたり、居酒屋気分を味わう。

 東京に来て約2年。(いま)だにテレビで見ていたような、オシャレで都会的なライフスタイルには全く近づけてないけど、お金をけちったダサい日常の方が私たちには合っているのかもしれない。

 いつかお小遣いが貯まって、あの素敵なバッグを持つことができたらどんな気分だろう。
 でも、もし20年貯め続ければ、娘の結婚資金になるかも?

 そんなことを考えながら、私は今日もお小遣いを使わず貯め続けている。
 お金と自分の関係。結婚してやっぱり大きく変わった。

【次回更新は6月25日(木)の予定です】

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの26歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と1歳の長女と3人暮らし。

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1271061 0 子育て 2020/06/11 10:04:00 2020/06/11 10:26:33 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/06/20200608-OYT1I50045-T.jpg?type=thumbnail

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