娘が私に発した乱暴な一言にガーン…えっ、一体どこで覚えた?

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 子どもと会話をしていると、「あなた、そんな言葉、どこで覚えたの?」って驚かされることって、ありますよね。もしそれが、キレイでステキな言葉なら、これほどうれしいことはないけれど、決して使ってほしくない、汚く乱暴な言葉だったら……。読売新聞オンラインの人気連載「元ヤン子育て日記@TOKYO」。今回は、アッコさん(26)がショックを受けた娘の言葉遣いについて。

どんどん言葉を覚える娘…教えていないことまで

公園で赤ちゃんを見て泣きマネする娘。どこで覚えた?
公園で赤ちゃんを見て泣きマネする娘。どこで覚えた?

 もうすぐ2歳になる娘は最近、本当によくしゃべる。

 「ポッポちゃん」「ミッキーさん」「ミニーちゃん」「プーさん」「キティーちゃん」「ブ(ブロッコリー)」「マ(しまじろう)」「む(虫)」「バ(バナナ)」……。

 だんだん“語彙(ごい)力”も高まってきて、コミュニケーションも取れるようになってきた。

 私のお気に入りは、「ちっちした」。
 娘はおしっこをすると、「ちっちしたぁー」と誇らしげに報告してくる。
 「おむつ、替えなきゃね!」と言うと、「うんしょ、うんしょ」と大げさにこっちに向かってきて、ゴロンと寝転び、おむつ替えの体勢に。ついこの間までは、めちゃくちゃ嫌がって逃げ回っていたはずなのに、まるで別人のようだ。

 もっと驚かされるのは、教えていないことまで話し出すこと。

 先日、公園で赤ちゃんを見たときは、「あっ! あかちゃん!!」と指さし、突然、「えーん、えーん」と泣きマネを始めた。どうやら、娘的には「赤ちゃん=泣くもの」らしい。一体、どこでそんなことを覚えたのだろう。

 彼女の頭の中で何が起こっているのかは分からない。
 こんなふうにできることが増えていくのが、最高の楽しみだったのだけど……。

5時のチャイムで公園から帰宅…そのとき!

自転車に向かって走り出そうと……そのときだった
自転車に向かって走り出そうと……そのときだった

 猛暑に見舞われた今年の夏、私と娘には朝か夕方の公園遊びが新たな日課として加わった。午前10時と午後4時に日陰になる、外遊びにぴったりの公園を近所で発見したのだ。

 娘には、公園でやらなきゃいけないことがたくさんある。
 「ちゅんちゅん(鳥)」や「む(虫)」を探したり、お気に入りの形の石を見つけてコレクションしたり。滑り台も3回は滑らなくては物足りないし、砂場で山も作らなくてはならない。もちろん、ブランコも忘れずに!
 娘は自転車を降りたら、両手を挙げる奇妙なフォームで、とりあえず「む」を探しに花壇へダッシュしていく。

 ただ、1時間ほど遊びまわった後には、最大の難関「帰宅」が待ち受けている。

 戦闘開始の合図は、午後5時を告げるチャイム。
 「はい! みんな~! 5時のチャイムが鳴ったよ~!」
 「おうちでご飯食べよう!」
 「もうパパが帰ってくるよ!」
 公園にいたママたちが一斉に、子どもを帰宅させようと必死になる。

 よしっ、我が家も帰るか。
 その日も私は、心の中で気合を入れて、娘に声をかけた。

 「さぁ! そろそろ帰ろっか!」
 「いーやっ!」

 最初のうちは、そんな姿も可愛(かわい)く思える。
 「楽しかったもんねー、帰りたくないよねー、でもさ、おうち帰ってご飯食べようよ!」
 「いーや! うあん(ご飯)いや!」
 そりゃそうだ。ただでさえご飯が嫌いなのに、ご飯で釣れるわけがない。

 「お家で、しまじろうのダンス一緒に踊ろう?」
 「いやーー!」と、ついには寝そべり始める娘。

 こんなやり取りを5回ほど繰り返すと、さっきまで天使のようだった娘が、悪魔に見えてくる。イヤイヤ言ったら、「他の楽しいことをいくつか提案する」と、育児本に書いてあったのになぁ……。

 よし、こうなったら、最後の手段。

 「あっ! あっちにセミがいるよ!」

 そう言って、自転車に向かって走り出そうとすると、身長90センチほどの娘が、私のTシャツを思い切り引っ張りながら叫んだ。

 「おいっ!!!」

 !!! ……えっ?

言葉遣いは私の唯一の“武器”だったはず、それが……

お風呂から聞こえてきた夫と娘の会話に……
お風呂から聞こえてきた夫と娘の会話に……

 娘の前では、言葉遣いに気をつけているつもりではあった。

 「おい!」はおそらく、私が夫に向けて言った言葉だと思う。
 怒ったとき? それとも、夫の冗談に突っ込んだとき?
 いや、そもそも「おい!」なんて使う場面ほとんどないはずだ。

 まさか、まさか…こんな言葉が娘から出てくるなんて。

 あまりのショックに、私はその日、ちょっとクラクラしながら、家に帰った。
 最近、ユーチューブ見せてたからかな? テレビは、子ども向けしか見せてないはずだ。

 「言葉遣い」は私にとって、唯一といっていい、頼れる“武器”になってきた。
 学がなくても、全身タトゥーの元ヤンでも、とりあえず「言葉遣い」だけでもちゃんとしておけば、なんとかなることも多かった。
 夜の仕事をやめて、アパレルショップの仕事に就けたのも、敬語と笑顔と愛嬌(あいきょう)があったから(少なくとも私はそう思っている)だし、夫の仕事関係の人と食事に行ったとき、「奇麗な敬語を使うね」って褒めてもらったのも、大きな自信になっている。

 だから、娘にも、まずちゃんとした言葉遣いだけは覚えてほしいと思っていたのだけど……。

 家に帰っても、悶々(もんもん)とした気持ちは収まらない。珍しく早めに帰宅した夫にそのことを話すと、「ちゃんとダメなことは、ダメと教えなきゃ」なんて言う。はぁ。やっぱりそうだよね。

 その日の夜、化粧を落としていると、お風呂から夫と娘の楽しそうな会話が聞こえてきた。

 「みーちゃん(娘のこと)、ここは?」
 「おちり(お尻)!」
 「ここは?」
 「おあな(お鼻)!」

 あぁ、今日もどんどん言葉を覚えていく娘。途中まではほほえましかったのだけど、状況は突然、一変する。

 「ママのここには何が書いている?」
 「ほい(星)!」
 「じゃあお花が書いてあるのは?」
 「ん~~あち(足!)」
 「ん~正解! みーちゃんはかしこすぎるねえ!」
 「うん!」

 「おい!!!」
 ドアを開けて思わず叫びたくなったのだけど、この日ばかりはなんとか踏みとどまった。

 余計なことを教えるヤツが身内にいる。正しい言葉遣いへの道のりは、なかなかに険しい。

【次回更新は10月1日(木)の予定です】

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの26歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と1歳の長女と3人暮らし。

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1483682 0 子育て 2020/09/17 10:00:00 2020/09/17 17:17:32 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200915-OYT1I50049-T.jpg?type=thumbnail

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