「カッコイイどんぐり」奪い合った…娘の“ライバル”りっちゃんの門出

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 日本では門出の季節と言えば春ですが、幼い子を持つ親にとっては必ずしもそうではないようです。都会で子育てに奮闘する地方出身の専業主婦・アッコさん(26)も、一緒に子どもの成長を見守ってきた大切なママ友から、あることを告げられ、少し切ない気持ちになったのだそう。読売新聞オンラインの人気連載「元ヤン子育て日記@TOKYO」。今回は、子どもがいたから生まれたステキなご縁について。

人懐こい娘のおかげで、広がる人間関係

公園で「カッコイイどんぐり」を奪い合ったっけ
公園で「カッコイイどんぐり」を奪い合ったっけ

 2歳になった娘は、本当に人懐こい。
 公園へ行くと、子どもを見つけた途端に「一緒にあそぼー」と駆け寄っていく。

 人見知りで、人付き合いも苦手な私と大違い。正直、ママ友のほとんどが娘のおかげで仲良くなれたと言っていいくらいだ。

 特に娘が仲良くしているのが、半年ほど前に知り合った、りっちゃん。
 生まれた月がひと月しか違わず、お気に入りの公園も同じ。すぐに週に2回は遊ぶ仲になった。

 私より一回り年上のりっちゃんママはとても物知り。子育てについていろんなことを教えてくれるし、月齢の近い子どもがいるから、互いの悩みに共感できるのも楽しい。

 最近、ともにイヤイヤ期に突入した娘とりっちゃんは、友達というより“ライバル”のような関係になってきた。自宅で遊べば、おもちゃの取り合いになるし、公園では「カッコイイどんぐり」の奪い合いになる。

 出会った頃は、2人ともよちよき歩き。たった半年で、公園を駆け回って、どんぐり探しをするようになるなんて……。

 「大きくなりましたねぇ~」

 この半年、私は何度、りっちゃんママとこの言葉を交わしたことだろう。そして、これからもこの感動が毎日のように一緒に味わえると思っていたのだけど……。

 「来月から保育園行くんだ」

 つい先日、私はりっちゃんママにそう教えられた。

りっちゃんママは職場に復帰

 どうやら、りっちゃんママは職場に復帰するらしい。

 育休中とは聞いていたものの、いざ、この時が来るとやっぱり切ない。

 もちろん会えなくなるわけじゃない。だけど、今までみたいに平日に気兼ねなく声をかけることもできなくなるし、きっと、りっちゃんにも保育園で新しいお友達がたくさんできるだろう。2人が今いる場所から新しい一歩を踏みだそうとしていることは間違いない。

 寂しさと、少しばかりの羨ましさ。すごく複雑な気持ちになった。

せっかくだから、思い切り遊ぼう

遊び終え、4人で見た夕焼けは忘れられない
遊び終え、4人で見た夕焼けは忘れられない

 「残り1か月。せっかくだから思いっきり遊ぼう!」

 りっちゃん親子の“門出”を前に、私たち4人は以前から「行きたいね」と話していた東京ディズニーランドに遊びに行くことにした。

 前日の夜、私は娘を寝かしつけた後、リュックの中身を何度も確認した。
 オムツも、子ども用のペットボトルキャップも、エプロンもオッケー!
 う~ん。こんなワクワク感って、もしかしたら、小学校の遠足以来かもしれない。

 娘も同じ気持ちだったらしい。当日の朝、家事とメイクを済ませて「いざ出陣!」と娘を見やると、すでにミニーちゃんの耳を付けて玄関で靴を履いて待っていた。

 ディズニーランドに入ると、子ども2人はうれしそうに「ミッキー、ミニー」って大はしゃぎ。

 途中、娘が付けていた「ミニーちゃんの耳」争奪戦が起きたけど、りっちゃんは、ママにおそろいのカチューシャを買ってもらい、無事解決! メリーゴーラウンドにプーさんのアトラクション、コーヒーカップ……。開園から夕方まで、2人はお昼寝もせず、ベビーカーにも乗らず、園内を走り回っていた。

 楽しい時間はあっという間に過ぎた。帰り際に見た夕焼けに染まるシンデレラ城がとってもキレイで、「また、4人で来たいなぁ」って、胸がジーンと熱くなった。

 娘も完全燃焼したのだろう。
 その日、家に帰ると、彼女は初めて一人でお布団へ行き、すやすやと眠りについた。

立ち止まってはいられない

お互いの娘が成長した後の再会、今から楽しみだ
お互いの娘が成長した後の再会、今から楽しみだ

 しばらくして、私は街の写真屋さんでスマホの画像を現像してもらうことにした。

 「楽しそうだね。俺も行きたかったなぁ」

 一緒に来た夫が指さしたのは、あのきれいなシンデレラ城をバックに撮った写真。夫が自宅に飾るために1枚現像を頼もうとしたので、「2枚にして!」とお願いした。

 その晩、りっちゃんママにこんなふうにLINEを送った。

 「この前の写真、現像したので今度またお届けしますね」
 「ありがとう! 仕事始まっても、また公園行ったりご飯行ったりしようね」
 「ぜひぜひ!」

 今度、会うとき、1年後、そして5年後。りっちゃんママと私は、娘たちのどんな姿にうるうるするのだろう。今までとは少し違う「大きくなりましたねぇ」って感動がそこにあるのかもしれない。

 そんなことを想像すると、私も娘も立ち止まってる場合じゃないよな、って思う。

 子育てには、大変なことも多いけど、ステキな出会いもたくさんある。

【次回更新は10月15日(木)の予定です】

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの26歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と2歳の長女と3人暮らし。

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1513272 0 子育て 2020/10/01 09:52:00 2020/10/01 09:52:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/09/20200929-OYT1I50041-T.jpg?type=thumbnail

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