「Go To」でプチ旅行…シール10枚! タトゥー隠して入った大浴場で起きたこと

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 「Go To トラベル」に「Go To イート」。新型コロナによる自粛生活で落ち込んだ消費を取り戻す取り組みが話題です。東京で子育てに奮闘する全身タトゥーの元ヤンママ・アッコさん(27)一家も「Go To トラベル」を利用して、気分転換に繰り出しましたが、そこで待っていたのは……。読売新聞オンラインの人気連載「元ヤン子育て日記@TOKYO」。今回は、大浴場で感じたこと。

温泉に浸かりたい!…でも、タトゥーが

親子3人、温泉で「非日常」を味わいたい。だけど…
親子3人、温泉で「非日常」を味わいたい。だけど…

 は~。温泉旅館に行きたい。
 娘が生まれてからは、子育てで目の回るような忙しさだったし、この春以降の新型コロナによる自粛生活。まったりとお湯に()かり、お部屋で豪華なご飯を思いっきり食べる――。そんな非日常の体験が必要なのは、私だけではない……と思う。

 ただ、夫はいつも「アッコのせいで、温泉は高くつく。却下」とつれない。

 そもそも、私たち家族が温泉へ行こうとすると、それは、それはお金がかかる。
 理由は想像の通り。私のタトゥーだ。
 人目を気にせず、のんびりお風呂に入るには、旅館で貸し切りの家族風呂を予約するか、「温泉付き客室」にするしかないのだけれど、いずれにしても高い。

 というわけで、我が家の長期休暇はいつの間にか、実家への帰省が定番に。そもそもお金がないし、温泉旅行はおろか、ただの旅行にも一度も行ったことすらなかった。

「Go To」を利用し、都心のホテルへ

宿泊先に選んだのは思い出の地・日本橋
宿泊先に選んだのは思い出の地・日本橋

 そんな我が家に千載一遇の大チャンスがやってきた。
 「Go To トラベル」だ。
 調べてみると、都内在住の人が、都内のホテルに泊まる時にも適用されるらしい。

 これなら温泉とまではいかなくても、2連休でホテルに泊まって、気軽に非日常の雰囲気に触れられる。しかも、サイトで見積もりをとると、都心のしゃれたホテルでも数千円で泊まれるところがあるらしい。

 さっそく、夫を誘い、2連休のお休みに日本橋のホテルへ泊まることにした。

 なぜ日本橋なのかというと、東京に引っ越してきた直後、初めて夫と「お出かけ」した思い出の場所だから。

 「大きなビルやデパートが立ち並ぶ街並みがパリみたいー!(ただし、パリへ行ったことはない)」って超感動! それ以来、少しぜいたくしたいときには家族で日本橋へ行っているのだ。

 ご飯を食べて、ホテルに着き、何げなく館内案内を読んでみる。「大浴場」の3文字が目に飛び込んできた。
 夫は私に負けず劣らずお風呂が大好きだ。
 「パパ、大浴場、入ってきたら?」
 「えっ、マジ? いいの?」
 一瞬、(うれ)しそうな表情を浮かべた夫だったが、「みーちゃんも連れていってあげてね」とお願いすると、「な~んだ」という顔をして言った。
 「あっ、そーか。アッコは、タトゥーがあるからダメなのかぁ!」

 コイツ、分かってるくせに……ぶっ飛ばす!!

 でも、待てよ? ちょっと前までたくさんの外国人が東京に遊びにきていた。タトゥーを入れている外国人はお風呂に入れないのだろうか。
 夫に聞くと、「う~ん……たしかに」。少し考えて、部屋からフロントに電話をかけてくれた。

 「タトゥーがあると、大浴場へは入れませんか?」
 「シールを貸し出しています。そちらを貼っていただければ、大丈夫ですよ。何枚必要ですか?」
 「(私の体のタトゥーを指で数えながら)う~ん……10枚? ですかね」

 しばらくすると、ピンポーンとチャイムが鳴った。

 「はい、は~い」。思い切り明るい声で、私が出ると、20代前半くらいのカワイイお姉さんが、10センチ×5センチぐらいのワンポイント用のテープを1枚だけ持っていた。

 「あの……あの! テープにも……その……限りがありまして…。な、何枚必要でしょうか?」。なんと手が震えている。完全に怖がらせてしまったようだ。

 「ごめんなさい。本当に10枚はいるんです」。何とかシールを受け取ったが、大浴場に行くのがちょっぴりおっくうになった。

視線が気になる大浴場…のんびりできなかった

湯船にゆったり……とはいかなかった
湯船にゆったり……とはいかなかった

 部屋でぺたぺたとシールを貼った私は、娘を夫に託し、大浴場へ向かった。

 脱衣所には私を含め2人。浴室には5人ほどいた。どうやら混んでいる時間に来てしまったみたい。

 体を洗うタオルと手で、隠せる場所は隠したが、全員の視線が私に集まっている気がする。そりゃそうだ。腕に肩、お(なか)におしりと全身シールまみれで、どうみても怪しい。

 「もしかして怖がられてるかも」
 床に顔が付くんじゃないかってくらいに下を向き、存在を消すことに必死になる。ささっと体を洗い、湯船の隅っこの方に入った。

 湯船の中でも「はぁ……気持ち良い」なんて、のんびりできる感じにはなれなくて、「10」数えたくらいで、私は大浴場にサヨナラを告げた。

 部屋に帰ると、「みーちゃんが脱衣所で、お兄さんをガン見してて、大変だった!」と大笑いする夫。娘も初めての大浴場の経験がとっても楽しかったらしい。上機嫌で、飲むヨーグルトをがぶ飲みしていた。

 夫は「どうだった?」と聞いてきたが、私は「う~ん」と思わず微妙な表情。

 事情を察したのか、夫は「そっか」とそれ以上聞かず、「次はお風呂付きのスイートに泊まろうぜ」とだけ言った。

 我が家の新しい目標が決まった。

【次回更新は10月29日(木)の予定です】

 筆者(アッコさん)プロフィル
 1993年生まれの27歳。中部地方出身。中学時代は「学校がつまらない」と授業をサボり、成績はオール1。その後、私立の専修学校に進学するも不真面目な素行に加え、成績もふるわず、ヤンキーへの道一直線。卒業後、一度は医療事務の仕事に就いたが、遊びたい気持ちを抑えられず退職。職を転々としていたところ、会社勤めをする夫と出会う。都内で夫と2歳の長女と3人暮らし。

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1549593 0 子育て 2020/10/15 10:08:00 2020/11/01 18:22:56 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/10/20201013-OYT1I50046-T.jpg?type=thumbnail

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