いやだ!ベッドに行きたくない!

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

三つ子ちゃん×辻仁成 子育てエッセー第1回

(c)Nicole Lambert

- いやだ!ベッドに行きたくない!
- いやだ、いやだ、いやだぁ!
- えーん。

- ベッドには絶対行かないからね、ベロベロベー!
- いやだ! いやだ!

- ベッドになんか行きたくないよぉ、だってぼく全然眠くないんだもん。
- ぜんぜん、ぜんぜん、眠く、なんか、ないもん・・・(訳・辻仁成)

駄々をこねながら、寝ていく子供くらい可愛い存在はない~エッセー・辻仁成

 子供って、駄々をこねるのが仕事なんですけど、駄々をこねることがきっと大人になっていく上でとっても大事なことなんでしょうね。彼らもどうしていいのか分からないで駄々をこねているようなところがありますが、実は理由があるんです。

 甘えたいし、かまってほしいし、同時に、こわいんです。だって、生まれたばかりでまだほとんど世の中のことを分かっていないわけですから、あたりまえです。そういう時は、めんどうくさがらずに寄り添って、寝なくていいよ、と抱きしめてあげます。すると、すぐに安心していつのまにか眠ってしまいます。うちの子はそうでした。

 これがしたい、これがほしい、ああしたい、したくない、と駄々をこねるのに全部従う必要はないけど、ぎゅっと抱きしめて、よしよし、としてあげるだけで安心してくれます。体調が悪くて駄々をこねることもあるので、抱きしめながら様子をみたらいいですね。

 とにかく、何かを求めてぐずるんです。眠くないよ、というのは、生まれる前の世界に戻りたくないという本能的な気もちもあります。こういう時には一緒にベッドに潜り込んで、ピタッとくっついてあげましょう。寝なくていいよ、と囁き、安心させてください。せっかく生まれてきたのだから、パパやママの傍に居続けたいという彼らの思いなのですから。ぼくはそう思っていました。

 駄々をこねるのは「自分はここにいるんだ」というメッセージなのですから、素晴らしいことですね。その成長を喜んだらいいんです。赤ん坊は泣かなければお腹がすいたことを訴えることができません。ぜんぶ、本能です。だから、眠りたくない、と駄々をこねながら、寝ていく子供くらい可愛い存在はないのです。

「三つ子ちゃん×辻仁成の子育てエッセー」一覧はこちら

作者プロフィル

 ニコル・ランベール(Nicole Lambert)

 1948年、パリ生まれ。美術学校を経てモデルとしてのキャリアをスタートし、その後、子供服やおもちゃのデザイナーとして働き始める。雑誌向けにイラストを描くなかで、1983年に『マダム・フィガロ』で「三つ子ちゃん(Les Triples)」の連載を開始。同作は人気を集め、世界で翻訳・販売される。日本ではフランス国外で初めて書籍化された。テレビ化もされ、近年は世代を超えて親しまれている。一男一女の母。

 辻 仁成(Tsuji Hitonari)

 1959年、東京生まれ、パリ在住。作家。89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞。97年「海峡の光」で芥川賞、99年「白仏」のフランス語翻訳版「Le Bouddha blanc」で仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞。長男が小学5年生の頃から、シングルファザーとしてパリで子育てを行う。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Webマガジン「Design Stories」主宰。

無断転載・複製を禁じます
1038342 0 三つ子ちゃん×辻仁成 2020/02/07 10:15:11 2020/02/21 11:52:27 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/gazou01.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

アクセスランキング

新着クーポン

NEW
参考画像
500円400円
参考画像
ランチでご来店のお客様にジェラートをサービス
参考画像
アクティビティご利用でソフトドリンク1本サービス

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ