子供たちの好奇心~モダンな朝ごはんを作ろう!!

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三つ子ちゃん×辻仁成 子育てエッセー第3回

三つ子ちゃん第三回
(c)Nicole Lambert

- モダンな朝ごはんを作ろう!!

- ステップ1:粉ココア

- ステップ2:粉ミルク

- ステップ3:粉さとう

- 全部粉!そこに、少しのお湯をいれて、はい、できあがり!

- 粉の水を発明したら完璧なのに!!!!(訳・辻仁成)

食べることは学ぶことであり、生きること~エッセー・辻仁成

 息子が小学校5年生の時にぼくはシングルファザーになりました。それなりに途方にくれましたが、親よりも子どもの方が大変なわけですから弱音ははけません。で、どうやったら、子供を自然に、押しつけがましくなく励ませるだろうと考え、ぼくは「食べること」だと気づきます。そこで毎日、お弁当を作るようになったのです。その行動によって強い絆を父子のあいだに築くことができました。朝起きると、味噌汁の匂いがする家庭にしたいと思ったのです。

 16歳になった息子は最近、週末などに食事を作ってくれるようになりました。夜食をつくってくれたこともあります。パスタとかチャーハンですけど、でも、嬉しいです。食べることは生きることですから、こういう繋がり方が一番自然だと思うのです。

 実は最近、知り合いのご夫婦にごたごたがあり、かつて世話になった方々なので、彼らの未来が落ち着くまで時々ですけど、そこのお子さんたちをうちで預かっています。下の子は、ちょうど、ぼくがシングルになった頃の息子の年齢と一緒です。預かるのはいいのですが、ぼくにも仕事があるし、息子は学校でいません。

 寂しそうにソファの上で一人ゲームをやる姿がぼくの記憶をまさぐってきます。元気にさせなきゃ。そうだ、一緒にご飯を作ればいいんだ、と思いつきました。それで、ケーキを作ったり、テリーヌを作ったりしました。卵の割り方を教えてあげたり、包丁の使い方まで指導したのです。

 子供というのは好奇心旺盛ですから、なんでもすぐにコツを覚えますね。そして美味しい料理が完成すると大きな達成感が生まれるという次第です。その子の笑顔がまた実に人間的だ…。息子ともそうやってともに生きてきました。そうそう、食べることは学ぶことであり、生きることなのです。

「三つ子ちゃん×辻仁成の子育てエッセー」一覧はこちら

作者プロフィル

 ニコル・ランベール(Nicole Lambert)

 1948年、パリ生まれ。美術学校を経てモデルとしてのキャリアをスタートし、その後、子供服やおもちゃのデザイナーとして働き始める。雑誌向けにイラストを描くなかで、1983年に『マダム・フィガロ』で「三つ子ちゃん(Les Triples)」の連載を開始。同作は人気を集め、世界で翻訳・販売される。日本ではフランス国外で初めて書籍化された。テレビ化もされ、近年は世代を超えて親しまれている。一男一女の母。

 辻 仁成(Tsuji Hitonari)

 1959年、東京生まれ、パリ在住。作家。89年「ピアニシモ」ですばる文学賞を受賞。97年「海峡の光」で芥川賞、99年「白仏」のフランス語翻訳版「Le Bouddha blanc」で仏フェミナ賞・外国小説賞を日本人として初めて受賞。長男が小学5年生の頃から、シングルファザーとしてパリで子育てを行う。ミュージシャン、映画監督、演出家など文学以外の分野にも幅広く活動。Webマガジン「Design Stories」主宰。

 

無断転載禁止
1046182 0 三つ子ちゃん×辻仁成 2020/02/21 10:00:42 2020/02/28 10:35:46 2020/02/28 10:35:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/02/1989-leau-en-poudre.jpg?type=thumbnail

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