今でも乗れるSLから「この世界の片隅に」まで
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旅行読売臨時増刊「昭和の鉄道旅」で見る名作の舞台、駅弁
旅の情報の専門誌・旅行読売の臨時増刊「昭和の鉄道旅」=写真=が出版された。
鉄道が輸送の主役だった時代への、レトロな郷愁をつづった本、を想像したら、それだけではなかった。
特別企画では、アニメーション映画「この世界の片隅に」に登場する人・街・景色を追体験。片渕須直監督と、主役・すずの声を担当した女優・のんさんへのインタビューもある。
今でも乗ることができる現役のSLのひとつ、「SLばんえつ物語」号の体験ルポ、鉄道事情の変遷で消えた駅弁、残った駅弁。今も残る古い駅舎なども紹介している。
また、昭和のテレビドラマや映画の名場面を彩った鉄道の旅では、「北の国から」「男はつらいよ」「幸福の黄色いハンカチ」「駅 STATION」「
見どころ満載 昭和39年「鉄道線路図」
特別付録は、蛇腹折りの「鉄道線路図」。1964年(昭和39年)12月1日現在の日本国有鉄道営業局製作による貨物事務用路線図を復刻した。
この年の鉄道の画期的な出来事に新幹線開業がある。10月1日に開業したばかりの東海道新幹線が載っている。一方、東京五輪に合わせる目的で前月の9月17日に開業した東京モノレールは、鉄路でないという理由か、「東京横浜付近」図にも載っていない。貨物事務目的の図であるため、金町―新小岩間や亀戸―小名木川―越中島間の国鉄貨物線の方が、数多い私鉄や地下鉄よりも、はるかに目立つ線で描かれている。
そのほか、現存しないものを探すだけでも興味深い。
淡路島には、離島には珍しい淡路交通の鉄道線(延長23キロ、1966年廃止)が書かれている。瀬戸内海に航路が数多かったこともよくわかる。
交通関係以外で最も目立つのは、かつては琵琶湖に次ぐ日本第二の湖沼面積を誇った八郎潟(秋田県)。当時は、干拓事業の途上で、大潟村発足(64年10月)直後でもあるが、この地図では、湖水全体が描かれている。
臨時増刊「昭和の鉄道旅」は、A4判・オールカラー132ページ・税込み980円。全国の書店と一部コンビニで販売中。