伊豆半島一周、ひとり温泉はしご旅

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黒根岩風呂のキャッチフレーズは「アメリカを見ながら入る野天風呂」
黒根岩風呂のキャッチフレーズは「アメリカを見ながら入る野天風呂」

 賛成1票、反対3票。家族旅行でやりたいことを提案すると、決まってお父ちゃんの考えは否決される。「海沿い露天風呂はしご旅」もその一つ。気持ちよさそうなのに……。えいっ、家族を捨てて!とは大袈裟(おおげさ)だけど、念願をかなえるべく、ひとり旅に出た。

 目的地は伊豆半島。東京から東名高速、西湘バイパスと走って、東伊豆から西伊豆へ回るルートをとった。まずは北川(ほっかわ)温泉の黒根岩風呂でひと風呂。大きな岩が転がる浜辺に露天風呂があり、正面に大島が見える。温度はやや熱めだ。この風呂は2度目だが、脱衣場も柱も新しく感じる。「昨年の台風で何もかも飛ばされ再建したんです」とは北川温泉観光協会の大住絹代さん。再建を機に混浴から男女別になったので、女性にも好評だそうだ。

 ()れたタオルを助手席の背もたれにかけて、車を走らせる。10分ほどで、熱川(あたがわ)温泉の高磯(たかいそ)の湯に到着。家族旅行ならば、「またお風呂~っ」と大ブーイングだろうが、今回はそれもない。

高磯の湯から大島を望む
高磯の湯から大島を望む

 この風呂は屋外プールといった感じで、海側にはさえぎるものが何ひとつない。先客は初老の男性がひとり。岩風呂の縁につま先を乗せて腕立て伏せをしていた。がっしりとした体躯(たいく)で、ちょっと厄介な人かも……。恐る恐る挨拶すると人当たりが柔らかく、親切な人でひと安心。ほぼ毎日ここに来ては「日焼けしている」と豪快に笑った。時間を気にせず、雑談しながら湯浴(ゆあ)みを楽しんだ。

 まだまだ入るぞ。気合を込めて訪ねたのは、今井浜温泉の舟戸の番屋。2014年、温泉施設「サンシップ今井浜」の跡地にできた日帰り入浴施設で、食事(どころ)もあり海鮮バーベキューやサザエ丼、伊勢えびラーメンなどを提供する。サンシップ今井浜時代に好評だった露天風呂は引き継がれ、今も入浴することができる。風呂は切り立つ岩場にあり、海を見下ろしながらつかる。

 宿泊ももちろん海辺の温泉宿、下田ビューホテルとした。さらりとした無色透明の温泉を注ぐ露天風呂と大きな窓の客室のどちらからも海を眺められ、晴れれば日の出も見える。

今井浜温泉の「舟戸の番屋」
今井浜温泉の「舟戸の番屋」
下田ビューホテルの露天風呂「洛東の湯」
下田ビューホテルの露天風呂「洛東の湯」

温泉はしご旅の締めは西伊豆名物の塩カツオで

雲見温泉赤井浜露天風呂は水着で入る混浴風呂
雲見温泉赤井浜露天風呂は水着で入る混浴風呂

 朝風呂を楽しんで、2日目がスタート。下田市から南伊豆町を横断して伊豆半島の西側に出ると、つづら折りのアップダウンが多くなる。運転好きには楽しい時間だ。

 駿河湾越しに富士山が見える雲見(くもみ)温泉に着いたら、ひと休み。ここには温泉ファンの間で人気の無料の露天風呂がある。雲見海岸駐車場に車を止めて国道136をしばし上り、海岸への坂を下ると雲見温泉赤井浜露天風呂はあった。駿河湾に向かい合う岩風呂に温泉を注いだだけのシンプルな造りだが、それがいい。湯の温度が低く今回は入れなかったが、これは気持ちよさそうだ。最適期の5月~10月に再訪しよう。

西伊豆エリアでは屈指の人気を誇る沢田公園露天風呂
西伊豆エリアでは屈指の人気を誇る沢田公園露天風呂

 北上して、西伊豆町の沢田公園露天風呂へ。断崖絶壁に造られた風呂は小さいが、夕日を見ながら入浴できるので人気が高い。この日は風が強く昼前だったこともあり、温泉をひとり占め。気分がいいったら、ありゃしない。これぞひとり旅の醍醐味(だいごみ)だ。

 旅のもう一つの目的であるグルメは、沢田公園から車で5分の漁師カフェ 堂ヶ島食堂で。店主の鈴木洋史さんが「新鮮な魚をお(なか)いっぱい食べて欲しい」と語る通り、どの料理も食べ応えがある。

 注目の一品は「塩カツオ茶漬け定食」734円。塩カツオはカツオの塩漬けを干した西伊豆町の縁起物で、茶漬けは塩カツオのほぐし身と薬味を白飯に載せ、湯をかけて味わう。塩カツオのうま味と塩加減が抜群で箸が止まらない。食事利用の場合はところてんが食べ放題! 食後にベルトの穴を一つ、いや二つ緩めた。

 文・写真/内田 晃

黒根岩風呂/6時30分~9時30分、13時~22時(19時~21時は女性専用)/荒天時休/600円/電話0557・23・3997(北川温泉観光協会)

高磯の湯/9時30分~17時/荒天時休/600円/電話0557・23・1505(熱川温泉観光協会)

舟戸の番屋/10時~16時/火曜休/300円/電話0558・32・0432

雲見温泉赤井浜露天風呂/日の出~日没/11月~4月休/無料/電話0558・45・0844(雲見温泉観光協会)

沢田公園露天風呂/9時~19時(季節により終了時間の変動あり)/火曜休/600円/電話0558・52・0220

漁師カフェ 堂ヶ島食堂/11時~15時30分/木曜休、月数日不定休/電話0558・52・0134

(月刊「旅行読売」2018年4月号より)

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12044 0 たびよみ 2018/03/15 05:20:00 2018/03/15 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180314-OYT8I50012-1.jpg?type=thumbnail

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