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    旅の専門誌「旅行読売」から、旅に役立つ特選情報をお届けします。

    但馬牛をリーズナブルに堪能できる道の駅へ

    山陰海岸ジオパーク 浜坂の郷(兵庫県)

    • (左)たじま屋洋風あら挽きハンバーグ定食980円、(右)但馬牛焼肉丼1300円、(上)但馬牛ローストビーフ丼2000円
      (左)たじま屋洋風あら挽きハンバーグ定食980円、(右)但馬牛焼肉丼1300円、(上)但馬牛ローストビーフ丼2000円

     食堂で一番人気のハンバーグをひと口ほおばると、(あら)()き肉からジュワッとコクのある熱い肉汁があふれ出し、思わず「うまい!」とうなった。

     今回訪れた道の駅は、兵庫県北西部、昨年11月に余部(あまるべ)―浜坂間が開通した山陰近畿道の新温泉浜坂ICを出てすぐにある「浜坂の郷」。新温泉町を通る県道47号沿いに昨年9月に誕生した。

     「浜坂漁港のある新温泉町は、日本一の漁獲量を誇るホタルイカをはじめ、漁業のイメージが強いですが、昔から畜産も盛んです。特産の但馬(たじま)(ぎゅう)をはじめ但馬ポークや但馬どりを気軽に味わっていただきたいと、直営の食堂と精肉店を備えています」

     そう語るのは駅長の中井洋祐さん。兵庫県立但馬牧場公園に約10年、さらに町内の精肉店で約10年働いた経歴を持つ、牛肉のエキスパートだ。

     兵庫県産の黒毛和牛を但馬(うし)と呼ぶ。但馬(うし)は現在、淡路など県内で広く飼育されているが、新温泉町を含む但馬の美方(みかた)郡は、県内随一の肉質と今でも名高いという。

     但馬(ぎゅう)は、この但馬(うし)からとれる牛肉の中で神戸肉流通推進協議会の厳しい基準を満たしたブランド牛で、味はいいが値段がはる。

     「この道の駅では、ほぼ町内の畜産農家約10軒から牛を1頭買いで仕入れ、赤身のうまいモモはローストビーフ、煮込むとうまいスジ肉はカレーなど、部位に合った料理を提供。良質だが精肉店に並べられない端肉はハンバーグや焼き肉丼として出しているので、味わいは格別な上に安くお出しできるんです」と中井駅長。

     さらにデミグラスソースに但馬(ぎゅう)の肉汁と脂を加えてコクを出すなど、駅長と旅館出身の料理長がともに考えた多彩なアイデアと工夫も味に一役買っている。

     冒頭の「たじま屋洋風あら挽きハンバーグ定食」は、但馬どりの粗挽きつくねと地野菜が入ったみそ汁とごはん付き。あの食べ応えで980円。味と安さの陰には、こうした努力があったのだ。

    • エビ殻で取っただしで茶漬けも堪能できる、たじま屋食堂の地エビィ~トランチ2000円
      エビ殻で取っただしで茶漬けも堪能できる、たじま屋食堂の地エビィ~トランチ2000円
    • とち餅のほろ苦さがきいた大人の味、とち餅ソフトクリーム400円
      とち餅のほろ苦さがきいた大人の味、とち餅ソフトクリーム400円

     1日平日20個、週末50個限定の肉のたじま屋のミンチカツ250円をはじめ、テイクアウトでもおいしい牛肉を味わえる。精肉店も併設しているので、但馬(ぎゅう)100グラム(400円から)も購入できる。

     食堂では、今年4月から新温泉町内の14か所の飲食店や宿が参加してご当地グルメの一環で始めた、浜坂のモサエビと甘エビを使った「地エビィ~トランチ」2000円(1日5食限定)、テイクアウトでは、地元銘菓のとち餅入りの「とち餅ソフトクリーム」400円も好評だ。

     また、町内の山中に隠れ家的に店を構える人気そば店「春来そば てっぺん」の2号店を併設。町内産そば粉100%の十割手打ちそば(910円から)が味わえる。

     直売所には、特殊な凍結法、プロトン凍結により、生でも食べられるホタルイカや明治初期から作られている「浜坂ちくわ」など海産物が多数並ぶ。40軒以上の地元農家から届く新鮮野菜・果物もあり、11月中旬までは日本有数の出荷量を誇るピーマン、8月下旬からは「二十世紀」などのナシがおすすめだ。週末の午前中には、しばしば特産品の試食会も実施している。

    • 直売所では但馬ポークや地酒なども買える
      直売所では但馬ポークや地酒なども買える

     浜坂は京都、兵庫、鳥取にまたがる山陰海岸ジオパークのほぼ中間に位置し、今年5月に日本遺産「北前船寄港地・船主集落」にも追加認定。ほかにも浜坂温泉や(しち)(かま)温泉、車で10~15分の場所には、NHKドラマ「夢千代日記」のロケ地となった湯村温泉があり、夏のドライブ旅行も楽しい。

     道の駅は、週末を中心に案内コンシェルジュとして地域おこし協力隊の福島泰和さんが常駐しており、情報発信拠点にもなっているので、気軽に立ち寄りたい。

     文/児島奈美 写真/宮川 透

    電話/0796・80・9010

    住所/新温泉町栃谷57 

    営業/9~19時 「たじま屋食堂」9時~18時30分「春来そば てっぺん」11時~15時30分 休みは施設により異なる

    駐車場/普通車=40台 大型車=4台

    交通/山陰近畿道新温泉浜坂ICからすぐ

    (月刊「旅行読売」2018年9月号より)

     月刊「旅行読売」は、1966年創刊。「読んで楽しく、行って役立つ旅の情報誌」がモットー。最新号や臨時増刊などの案内は こちら

    2018年08月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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