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    旅の専門誌「旅行読売」から、旅に役立つ特選情報をお届けします。

    日帰りでも大満足! 秋の箱根温泉郷

    神奈川県箱根町

     毎年11月上旬になると、芦ノ湖に浮かぶ満員の遊覧船の映像とともに、「箱根の紅葉がピークを迎えた」と伝えるニュースを目にする。「今年こそ箱根の温泉につかって紅葉を見たい」と思うのだが、宿は満室かな……などと二の足を踏んでしまう。

     それでも秋の箱根に行きたいという人に、日帰り温泉の旅をすすめたい。首都圏から箱根は日帰り圏内。多くの宿が立ち寄り湯を受け付けているが、ここでは日帰り専門の施設を中心に紹介したい。

    絶景日帰り温泉 龍宮殿本館( 蛸川 ( たこがわ ) 温泉)

    • 男性用内湯から見た芦ノ湖。男性用大浴場は創建当時のままのモダンな造り。湯はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉
      男性用内湯から見た芦ノ湖。男性用大浴場は創建当時のままのモダンな造り。湯はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉

    • 日帰り温泉施設とは思えない荘厳な建物だ
      日帰り温泉施設とは思えない荘厳な建物だ

     「日帰りとはいえ、ゆっくり湯につかりたい」。そんな願いがかなう施設を、芦ノ湖畔に見つけた。芦ノ湖の東岸、遊覧船や駒ヶ岳ロープウェーが発着する箱根園に近い龍宮殿本館だ。日帰り温泉施設としてオープンしたのは昨年7月だが、建物は由緒ある木造3階建て。左右に物見(ものみ)(やぐら)も備えている。国の登録有形文化財に指定された御殿のようなそれは、1938年、浜名湖畔に宇治の平等院を模し、その2.7倍の大きさで築かれた。これを芦ノ湖畔に移築して1957年に宿として開業。2012年に宿としての役目を終え、日帰り温泉施設となった。

     前置きが長くなったが館内に入ろう。玄関を過ぎると、太さ80センチ、長さ10メートルの柱、2階へ続く荘厳な階段やシャンデリアなど、(ぜい)を尽くした造りに目を見張る。

     広い廊下を進んで大浴場へ向かうと、一面ガラス張りの窓の向こうに芦ノ湖が広がり、富士山も見える。11月上旬~中旬には、湖畔や外輪山が紅葉に染まり、雰囲気は一変する。露天風呂に出ても、聞こえるのは木々のざわめきだけ。その静けさがいい。

     「夕方になるともっと落ち着きます」と、フロント担当の稲生正隆さん。太陽の逆光を受けて湖畔の木々は鮮やかな赤や黄色に輝き、対岸の山々はうっすらと陰る。景色に陰影が付き、遠近感がぐっと増して、箱根の複雑な地形が生み出す絶景がより印象に残るのだ。

    • 現在、2階は使われていないが、高い天井の下に豪華な階段が続く
      現在、2階は使われていないが、高い天井の下に豪華な階段が続く

     湯上がりには、休み(どころ)でくつろぐもよし、4室ある個室(2時間4320円から)で寝転ぶもよし。旅館時代の客室を改装した個室では、湖を眺めながら雅趣にひたれる。気が向いたらまた湯船へ。食事処もあり、湯豆腐やそばなど系列の旅館の料理長が手がける料理で空腹を満たせる。

     ヒノキやケヤキをふんだんに使った建物は、日帰り温泉施設ながらせわしなさを感じさせない。あえて擬人化するなら、旅館として賓客をもてなしてきた建物が、優しく包み込んでくれるからか。箱根には、1日いても飽きることがない日帰り温泉施設が、まだまだある。下記の施設も参考に、秋の計画を立てていただきたい。

     文/渡辺貴由

     (月刊「旅行読売」2018年10月号より)


    龍宮殿本館(蛸川温泉)

     電話0460・83・1126/8~19時、無休/1944円/箱根登山鉄道箱根湯本駅からバス1時間5分、または新宿駅西口から高速バス2時間25分、箱根園下車徒歩3分/西湘バイパス箱根口ICから国道1号、箱根新道経由20キロ

     

    • 肌あたりがやわらかいアルカリ性単純温泉は「美肌の湯」として人気
      肌あたりがやわらかいアルカリ性単純温泉は「美肌の湯」として人気

    箱根湯寮(塔之沢温泉)

     コンセプトは「古民家風の里山温泉」。紅葉に染まる里山風景の中に、渓流を望む露天風呂、首都圏最大級の19の貸し切り個室露天風呂(1室1時間4000円から)、レストランなどがそろう。箱根湯本駅からも近い。

     電話0460・85・8411/10~20時(土・日曜、祝日は21時まで)、無休(メンテナンス不定期)/1400円/箱根登山鉄道箱根湯本駅から無料送迎バス3分/西湘バイパス箱根口ICから国道1号経由3.5キロ

     

    • 開放感抜群の天空大露天風呂
      開放感抜群の天空大露天風呂

    天成園(箱根湯本温泉)

     箱根随一の大型旅館で、最長23時間滞在できる日帰り温泉も人気。館内着やタオル貸出料も含まれているので手ぶらでOK。天空大露天風呂では紅葉など四季折々の眺めを楽しめる。無料休憩所は食事処も兼ねる。

     電話0460・83・8511/10時~翌9時(最終入館翌8時)、無休/2300円(24時~翌5時59分に滞在の場合は深夜割増料金1500円、6~8時入館の朝風呂1500円)/箱根登山鉄道箱根湯本駅から徒歩12分(シャトルバス5分、片道100円)/西湘バイパス箱根口ICから国道1号経由3.5キロ

     月刊「旅行読売」は、1966年創刊。「読んで楽しく、行って役立つ旅の情報誌」がモットー。最新号や臨時増刊などの案内は こちら

    2018年09月20日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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