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    村上水軍の島から 海路“浮城”へ

    因島水軍城、三原城(広島県)

    • 白滝山の頂上は、海上を見張るにはぴったり。写真左奥には三原市の市街地が見える
      白滝山の頂上は、海上を見張るにはぴったり。写真左奥には三原市の市街地が見える
    • 村上水軍の資料館「因島水軍城」
      村上水軍の資料館「因島水軍城」

     かつて瀬戸内海で縦横無尽の活躍をした村上水軍。歴史小説で読むだけでは満足できない。彼らが軍船を操った海に行き、実像に触れてみたい――。

     そんな思いが募り、村上水軍根拠地の一つで、広島県尾道市にある因島(いんのしま)から、彼らが密接な関係を持った戦国武将・小早川隆景(たかかげ)が築いた同県三原市の三原城へと巡る旅に出た。村上水軍の武将になったつもりで、「海路・登城」を体験してみたかったからだ。

     尾道駅に近い尾道港から旅客船に乗る。因島へは、橋を連ねた「しまなみ海道」経由で行く方法もあるが、「海路・登城」の旅なのだから、因島へも海から行こうと思った。約20分で因島北部の重井東港に着いた。

     尾道市の平谷祐宏市長から「外国人観光客が、口をそろえて『アメージング(驚くほど見事)』と激賞する白滝山を見に行ってください」とすすめられたので、「そういうことなら、見に行かない手はない」と、港からタクシーで、中腹まで上がる。そこから25分ほどかけて登ったら、山頂からの眺めはまさにアメージングだった。

     「五百羅漢」の石仏や、かつて村上水軍当主が建てた観音堂もある。だがここは、美しい景色を眺める場所というだけではない。この場所から村上水軍は四方八方の船の動きに目を光らせていたのだ。三原港の様子も、ここからならよく分かりそうだった。

     30分ほど歩いて下山すると、「フラワーセンター入口」バス停留所に着いた。バスを乗り継ぎ、村上水軍の武具・古文書などを展示する資料館「因島水軍城」に行く。内部では、人形を使って水軍の軍議の模様も再現している。

    広大さを実感、天守台と堀の遺構

     因島南部の土生(はぶ)港から船で三原港へ向かう。この海を、かつて村上水軍の軍船も航行していたのだと思うと、心が躍る。

    • 三原駅に接する三原城天主台跡
      三原駅に接する三原城天主台跡

     三原城の前身は、1567年(永禄10)頃に、戦国大名毛利元就(もとなり)の三男、小早川隆景が築いた水軍の要害とされ、その後、隆景が城と城下町を完成させた。

     三原港に着き、10分ほど歩くと「船入(ふないり)櫓(やぐら)」の遺構がある。この近くまで軍船が来ていたのでは、と想像する。昨年は三原城築城450年にあたり、三原市では様々なイベントが行われ、因島の村上水軍武将隊も参加したという。JR三原駅の南側には、450年行事の際に臨時的に設置された「みはら歴史館」があり、その裏手にも三原城の遺構があった。

     三原駅の北側、山陽新幹線のホームで帰りの列車を待つ間、壮大な三原城の天主台と堀の遺構を眺めた。往時は、海水を取り入れた水堀で囲まれ「浮城(うきしろ)とも呼ばれたという。海から旅したからこそ、三原城の広大さを、体で感じることができた気がした。

    文・写真/藤原善晴

    因島水軍城

    9時30分~16時30分/木曜休/310円/電話0845・24・0936

    みはら歴史館

    9時~17時/12月29日~1月3日休/無料/2016年11月に期間限定で開設、開設期間は2018年4月から1年間延長された/電話0848・62・0450

    三原城

    山陽新幹線三原駅からすぐ。天主台跡への出入り口は駅構内にある。公開は6時30分~22時で無料

    【問い合わせ】うきしろロビー(三原駅構内)/電話0848・67・5877

    (月刊「旅行読売」2018年11月号より)

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    2018年11月02日 04時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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