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    旅の専門誌「旅行読売」から、旅に役立つ特選情報をお届けします。

    【ドライブ日和】東京の村を走り、秋川渓谷で遊ぶ

    檜原村~あきる野市

    • 秋川の支流の養沢にある秋川国際マス釣場。道をさらに上がれば養沢鐘乳洞に至る
      秋川の支流の養沢にある秋川国際マス釣場。道をさらに上がれば養沢鐘乳洞に至る

     朝日を反射する相模湖を過ぎ中央道上野原ICで降り、本州内の東京都における唯一の村、檜原(ひのはら)村へ向かった。檜原村へはやや遠回りだが、峠越えのワインディングロードをドライブしたかった。

     上野原ICから都県境の栗坂トンネルまでは、道幅の狭い上り道。急な斜面に民家が立ち、畑が広がる。都心からわずかな距離なのに、山深い景色が見られて面白い。

     栗坂トンネルからは東京都。完全に2車線になる。峠を下った道は、やがて秋川沿いを走る。秋川は138キロの長さを誇る多摩川最大の支流だ。

     大火が多かった江戸時代、街並み復興のため檜原村から江戸へ多くの木材が運ばれた。戦後は木材需要が急増。政府は「拡大造林政策」を実施して檜原村の天然林の多くを伐採し、杉やヒノキの針葉樹林が整備された。現在、国産木材の需要は低迷しているが、年輪密度が高く曲げ強度が全国平均を上回る地産の木材は、「多摩産材」と呼ばれ、重宝されている。秋川渓谷沿いを走ると、製材所や、木材を天日に干している光景に出合う。

    • フォレスト・ポエム もりのうたの作品例。クルマのおもちゃ1890円~、ロッキングバード2625円
      フォレスト・ポエム もりのうたの作品例。クルマのおもちゃ1890円~、ロッキングバード2625円

     フォレスト・ポエム もりのうたは、木工作家の小澤昌雄さんの工房であり、作品の販売も行っている。カフェも併設され、切り盛りするのは奥さんだ。

     「八王子の自宅と工房を往復する生活を始めて18年になります。この土地の木材を使って、器からおもちゃまで、いろいろな作品を作っています」と、小澤さん。取材時は、握ることで小さな運動になる木製タマゴを制作中だった。

    • やまぶき屋のテラスにて。ひのはら紅茶350円、みそ田楽200円
      やまぶき屋のテラスにて。ひのはら紅茶350円、みそ田楽200円

     秋川の流れに沿ってドライブを続ける。やがて右側に檜原村観光協会が直営する特産物直売所やまぶき屋が現れた。ジャガイモをはじめとする農産物や名産のコンニャク、工芸品などを販売する。店内を眺めてから、清流が見下ろせる小さなテラスに出た。テーブルとイスがあり、カフェの役割も担う。ひのはら紅茶も特産品の一つだ。

     「この頃は茶畑があっても、摘む人手が少なくなりました。そこで、少量であっても大切に育て、発酵させて紅茶にしています」と、教えてくれた。旬のお茶だと運ばれた紅茶は、インドの山間部で採れるダージリンのセカンドフラッシュ(夏摘み茶)に似ていた。

    美しい自然の中で名瀑見物とマス釣り

    • 冬は結氷することもある払沢の滝
      冬は結氷することもある払沢の滝

     秋川沿いの名産に触れたドライブの後半は、秋川の自然を訪ねる。立ち寄ったのは日本の滝百選の一つ、払沢(ほっさわ)の滝だ。駐車場にクルマを止めて遊歩道を約10分歩く。9月の台風による倒木のため、一時閉鎖となった遊歩道だが、11月1日に復旧している。毎年12月~3月には「払沢の滝冬まつり」が開かれ、氷瀑(ひょうばく)クイズやほっこり市などが開催される。今年の1月28日には12年ぶりに滝が完全結氷した。この冬も凍った滝が見られるかもしれない。

     自然を観賞した後は、自然で遊びたい。秋川やその支流の養沢(ようざわ)にはマス釣り場やバーベキュー施設が多い。秋川漁業協同組合が運営しているのが秋川国際マス釣場だ。自前のフィッシングウェアと用具を持って訪れ、入漁料(3300円)を支払い、終日釣りに興じる人もいる。しかし、ドライブの途中なら初心者でも楽しめる餌付き貸し竿でのマス釣りがいい。釣り上げたマスの代金は300円。無料でさばいてもらえるが、持ち帰らないといけない。ただし、追加100円を払えば塩焼きのマスと交換してくれ、その場で食べられる。レストランも併設されていて、マスの塩焼きを買うこともできる。

     秋川で川遊びをした後は圏央道日の出ICを目指す。途中、武蔵五日町駅周辺を経由するが、点在する商店が個性的で面白い。よみがえらせた黒八丈(黒色無地の絹織物)を使う工房、しょうゆ醸造所、オリジナルの手拭い店など、魅力的な店が多い。秋川から日の出ICに直行せずに、夕方の五日市を散策してから帰ってもいい。

    文・写真/篠遠 泉

    フォレスト・ポエム もりのうた

     10時~17時(夏季は~18時)/月曜休(祝日の場合は翌日休)/電話042・598・6230

    檜原村観光協会直売所やまぶき屋

     9時30分~17時/無休/電話042・598・0429

    払沢の滝

     電話042・598・0069(檜原村観光協会)

    秋川国際マス釣場

     8時~16時/木曜休(11月~3月)/200円(柄付き菓子竿)、300円(1尾)ほか/電話042・596・0568

    (月刊「旅行読売」2018年12月号より)

     月刊「旅行読売」は、1966年創刊。「読んで楽しく、行って役立つ旅の情報誌」がモットー。最新号や臨時増刊などの案内は こちら
    2018年11月09日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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