世界遺産と紅葉を楽しむ温泉宿へ

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白川郷の湯(岐阜・白川郷温泉)

天守閣展望台からの眺め。バスターミナルからシャトルバスが運行している
天守閣展望台からの眺め。バスターミナルからシャトルバスが運行している

 岐阜県白川郷(しらかわごう)といえば、茅葺(かやぶ)き屋根の上に雪が積もった冬景色が印象的。その厳しい冬を前に、一番の輝き、一瞬のきらめきを放つのが紅葉の時期(例年10月中旬~11月上旬が見頃)だ。10月に入りススキが民家の庭先に揺れ始めると、周囲の山から紅葉が駆け足で下りてくる。

 紅葉を背にした合掌造りを眺めながら、のんびり温泉につかれるのが、白川郷バスターミナル前に立つ「白川郷の湯」。集落内にある唯一の温泉宿で、日帰り入浴もでき、周辺の宿の外湯としても利用されている。

 一見木造長屋のようだが、実は鉄骨造り。「地元の建設会社が消雪用の井戸を掘ろうとしたら温泉が湧出。世界遺産指定区域にあるため新築が許されず、既存の工場を周囲の景観に合わせて改築し、2002年に開業しました」と支配人の古田好隆さんは開湯のエピソードを語る。

114棟ある合掌造り集落の北部に位置し、国の重要文化財・和田家など主要観光施設に近いため、立ち寄り湯として訪れる人も多い
114棟ある合掌造り集落の北部に位置し、国の重要文化財・和田家など主要観光施設に近いため、立ち寄り湯として訪れる人も多い

 館内はヒノキ材がふんだんに使われている。廊下も板張りだが、スリッパの用意はない。「素足で過ごしていただけるよう清潔に保っています」と古田さん。

 男女別の露天風呂は、湯船から庄川の清流、合掌造りの家屋を望む。対岸に茂るブナやナナカマド、カエデ、ナラ、ヤマウルシが多彩に色付き、遠くには白山連峰の「間名古(まなこ)(かしら)」(標高2124メートル)がそびえる。

 内風呂は天井と壁にヒノキ、浴槽と床面に水質浄化作用に富む麦飯石(ばくはんせき)を使っている。合掌造りのミニチュア模型が湯船の隅に置かれているのが微笑(ほほえ)ましい。

 鉄分を含む湯は若干黄茶色で、つるつる感がある。冷鉱泉を41度台まで加温しており、塩分が毛穴を塞いでよく温まり、湯冷めしにくい。

 露天風呂の隣にあるテラスで涼んでから夕食を。飛騨牛カットステーキをはじめ飛騨の山の幸をふんだんに使った会席料理。イワナの塩焼きや郷土料理の(けい)ちゃん陶板焼きなども追加注文できる。

 宿から歩いて20分ほどの天守閣展望台からは、一年で最も彩り豊かな白川郷を一望。枯れた田畑、黄色や赤茶色の紅葉に緑色の針葉樹、抜けるような青空、茶色の茅葺き屋根……。昔話の一場面のような世界が広がる。

 文/天野久樹

 宿泊料金/1泊2食1人分・2人1室利用、平日1万円(税別)から
 日帰り入浴/7~21時、無休、700円
 交通/高山線高山駅からバス50分、白川郷バスターミナル下車すぐ/東海北陸道白川郷ICから国道156号経由5キロ
 住所/白川村荻町337
 電話/05769・6・0026
 http://www.shirakawagou-onsen.jp/index.html

 (月刊「旅行読売」2019年10月号から)

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785754 0 たびよみ 2019/09/12 05:20:00 2019/09/12 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190906-OYT8I50027-T.jpg?type=thumbnail

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