湯船から見る桜紅葉も壮観

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湯元 宝の家(奈良・吉野山温泉)

阿の湯からの錦秋の眺め。中千本~上千本の桜紅葉の見頃は10月中旬、楓紅葉の見頃は11月上旬
阿の湯からの錦秋の眺め。中千本~上千本の桜紅葉の見頃は10月中旬、楓紅葉の見頃は11月上旬

 かつて、豊臣秀吉が総勢5000人もの家来を引き連れて花見宴を催したという逸話が残る吉野山。シロヤマザクラを主体としたヤマザクラが尾根や谷を埋め尽くすさまは、「千本の桜が一目で見渡せる」との意味から「一目千本」とうたわれる。桜が人々を楽しませるのは春ばかりではない。「桜紅葉」という言葉があるように、10月になると赤や黄色に色付き、山全体が紅葉一色に染まる。

 山の入り口から頂に向かって、(しも)千本、中千本、(かみ)千本、奥千本と称されるが、中でも吉野山屈指と評判なのが、中千本にある世界遺産・吉水(よしみず)神社からの眺望。そこから150メートルほど先にあり、ほぼ同じ景色を温泉につかりながら楽しめる宿が、1929年創業の湯元 (ほう)()だ。

 露天風呂「阿吽(あうん)の湯」は、「阿の湯」が女湯で「吽の湯」が男湯。いずれも岩組みで手すり以外に視線をさえぎる物はなく、空中に浮いたような気分で中千本から上千本までが同時に見渡せる。桜の花は麓から山頂へ咲き継ぐが、紅葉は山頂から徐々に下る。その様子が見てとれるのも興味深い。天気によっては山肌に沿って霧が立ち込め、幻想的な風景が広がる。

 炭酸水素塩泉の湯は、さらりとした肌触り。16度の源泉を41度台まで加温しており、熱すぎず、ぬるすぎず。絶景をずっと眺めているのにちょうどよい。

 「まさに吉野山全体が当館の庭といったところ。10月中旬に桜の葉が色付き始めた後、11月に入ると追いかけるようにモミジも染まり、長期間紅葉を楽しめます」と主人の森下圭太郎さんは話す。

宿までは、近鉄・吉野駅からロープウェーが便利。紅葉の空中散歩も楽しめる
宿までは、近鉄・吉野駅からロープウェーが便利。紅葉の空中散歩も楽しめる

 館内のいたる所から紅葉を()でることができるのも魅力。ロビーでは大きな窓越しに吉野山を一望。客室は吉野材をふんだんに使った和風造りで、椅子に座ってゆったり夕景色を楽しめる。

 特産の吉野葛をはじめ、吉野の旬の食材を使って会席に仕上げた「葛御膳」を味わった後は、夜桜ならぬ夜紅葉を眺めに参道を散歩したい。11月2日~30日には、中千本公園や(きん)()(せん)寺仁王門、下千本周辺で紅葉ライトアップを開催。山岳信仰の聖地は、日中とはまた違った幽玄な世界に包まれる。

 文/天野久樹

 宿泊料金/1泊2食1人分・2人1室利用、平日1万7000円(税別)から

 交通/近鉄吉野線吉野駅から送迎15分(要連絡)、またはロープウェーで3分の吉野山駅下車徒歩10分/名阪国道針ICから国道369、370、169号経由40キロ

 住所/吉野町吉野山937

 電話/0746・32・5121

 ホームページ/http://www.hounoya.gr.jp/index.php

 (月刊「旅行読売」2019年10月号から)

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 1966年創刊。「読んで楽しく、行って役立つ旅の情報誌」がモットー。最新号や臨時増刊などの案内はこちら

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805560 0 たびよみ 2019/09/26 05:20:00 2019/09/26 05:20:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/09/20190920-OYT8I50018-T.jpg?type=thumbnail

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