骨髄提供増へ闘病語る 高畑達也さん 38(名古屋市)

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 白血病を乗り越えた市民劇団員

 

 アカウミガメや砂浜を守るおじいさん役でミュージカル劇の舞台に立ち、透き通った声でセリフに力を込める。一緒に演じる子どもたちと笑顔を交わし、生き生きとした動きで演じる。だが、約1年半前に白血病と診断され、骨髄移植をした。「治療がうまくいくなど、奇跡の連続で命をつないでもらった。毎日が楽しくて、今は一分一秒でも無駄にしたくないから、全力投球ですよ」と笑う。

 高校を卒業後、声優を目指して東京のアナウンス専門学校に入学。しかし、声優のイロハより、ジャズダンスや殺陣など役者の勉強ばかりしていた。高校3年生の時、門をたたいた一宮市のミュージカル市民劇団「劇団シンデレラ」で、役者として1回だけ出演した舞台の感動が忘れられなかったからだ。

 本格的に役者の道に進もうと、20歳の時、芸能プロダクションに入り、CMやオペラ劇に出演した。自分の思うような役者の仕事がなく、25歳頃フリーに。自分の強みを作ろうと、脚本や音響、照明、舞台監督もこなせる“マルチタレント”を目指し、都内の10か所以上の劇団の裏方として手伝い、技術を学んだ。

 体に異変があったのは2016年9月。朝、歯磨きをしていて、口の中から血の味が消えなかった。都内の病院で検査を受けたところ、即入院。高熱でふらふらな状態だった。診断の結果は「急性リンパ性白血病」。3か月前に受けた健康診断では異常はなかっただけに、「何で…」とショックが大きかった。さらに染色体異常も分かり、主治医から骨髄移植の必要性を告げられた。

 名古屋第一赤十字病院(名古屋市中村区)に転院。抗がん剤治療を続ける中、体はだるく、手足もしびれ、髪の毛もすべて抜けた。それでも、「生き続けたい」と願い、骨髄提供者を探してもらったところ、幸い見つかった。「本当によかった」と安堵(あんど)した。昨年4月に移植を受け、約3か月後に退院。体重は25キロ減って55キロになり、階段の上り下りでも息苦しいなど体力が大幅に落ちた。

 本格的な仕事はまだできないが、現在は健康維持のため、三つの活動に励んでいる。屋久島のアカウミガメを主人公にした劇団シンデレラの公演「シーウォーズ」の役者。入院前まで持っていたダーツのプロライセンス再取得に向けた練習と、骨髄移植の大切さなどを訴える「語り部」だ。

 あいち骨髄バンクを支援する会のメンバーと一緒に、小学校や大学、看護専門学校、ショッピングセンターなどで、自分の闘病生活などを伝えている。「骨髄移植の経験者の話だからこそ、相手の心に響く」と強調、「これからも骨髄提供者を増やし、一人でも多くの人を救うためにも、語り部などを続けていきたい」。(沢村宜樹)

 

 ◇

 

 一宮市出身。宝物は、自分に骨髄を提供してくれた人と匿名でやりとりした1通の手紙。かばんの中に入れて、肌身離さず持ち歩いている。「『この人のためにも、頑張って長生きしないといけない』と勇気をもらえる」という。以前使っていた芸名「神楽龍之介」で「フェイスブック」にこれまでの気持ちや経緯も投稿する。

  

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16677 0 ひゅーまん愛知 2018/03/05 05:00:00 2018/03/05 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180413-OYTAI50025-T.jpg?type=thumbnail

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