モーションアクター 古賀亘さん 46

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モーションアクターの古賀さん
モーションアクターの古賀さん

 ◇仮想世界に本物の動き

 

 全身黒色の専用スーツに身を包み、体中に付けた50以上ものセンサーで人間の動きをデジタル化する技術「モーションキャプチャー」。コンピューターに記録するためのアクションを専門に担うモーションアクターとして、テレビゲームのキャラクターを中心に収録作品は600以上を数える。

 小学生の頃、映画スターのジャッキー・チェンに憧れ、アクション俳優を志した。10歳の時、東映名古屋アクションクラブ(現名古屋アクションクラブ)の門をたたいたが、「体ができてないうちは教えられない。15歳になったらまた来なさい」と断られた。

 そして、「5年間のうちにできることはないか」と思い、空手を始め、NHK名古屋児童劇団に入団し、演技を身に付けた。15歳となった中学3年からアクションクラブに入り、空手の稽古を続けながら、高校3年までアクション技術を学んだ。週末にはデパートの屋上で、ヒーローショーに出演するなど地道に力を磨いた。

 高校卒業後に上京し、特撮ヒーローの撮影現場で雑用やスタントマン、ヒーローに倒される敵役などをこなした。一方、「剣術や戸隠流忍術、中国拳法の八極拳などアクションに役立つと思ったものは何でも習いに行った」。

 モーションキャプチャーに出会ったのは、下積みを続けていた20歳代前半の頃。先輩俳優の誘いで格闘ゲームの制作に参加した。パンチやキック、必殺技などキャラクターに合わせて動きを作っていくと、自分がいいと思う動きを制作側が次々と取り入れてくれた。実写とは違うバーチャルな世界でありながら、より本物の動きを求められる仕事に強く引かれた。

 仕事も少しずつ舞い込むようになり、1999年、横浜市でモーションアクター専門会社「活劇座」を設立。テレビゲームの発達に伴い、ゲームに収録する映像も、より水準の高いものが要求される。モーションアクターの需要も年々高まり、現在は週に5日程度、スタジオ収録で全国を飛び回る。

 常に心がけているのは「いかに依頼者の求める動きを表現できるか」だ。アクションを「売る」ためには、より多くの引き出しを用意しておかなくてはならない。「かっこいい蹴りをお願いします」と言われれば、いくつかのパターンを示して、イメージに合致する「蹴り」を提案する。格闘場面に代表される派手なアクションもあれば「怒りの感情をたぎらせながら歩く」など、感情のこもった細かな動きまで表現できるという。

 昨年8月には活劇座の本社を名古屋市内に移転し、今後は後進の育成にも力を入れる。「モーションアクターの仕事は、今後ますます必要になる。自分の経験を若い人に伝え、名古屋をモーションキャプチャーの拠点に育てたい」。第一人者としての誇りを胸に、地元からさらなる発展に尽力する。(山下智寛)

       ◇

 稲沢市出身。中学生の頃、NHKのドラマ「中学生日記」に出演した。ゲームセンターで、自分の動きが収録されたキャラクターを見るのが好きだという。古賀さんのこれまでの歩みは、特撮ヒーローの裏方を描いた唐沢寿明さん主演映画「イン・ザ・ヒーロー」(2014年)のモチーフにもなった。

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47040 0 ひゅーまん愛知 2019/01/07 05:00:00 2019/01/21 13:34:39 モーションアクターの古賀亘さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190117-OYTAI50006-T.jpg?type=thumbnail

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