<3>認知検査いつも予約待ち

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自動車教習所で高齢者講習を受ける参加者。教習所は連日、予約でいっぱいだ(6月26日、名古屋市緑区の東海自動車学校で)
自動車教習所で高齢者講習を受ける参加者。教習所は連日、予約でいっぱいだ(6月26日、名古屋市緑区の東海自動車学校で)

■更新時の義務

 今年1月、運転免許の有効期限を半年後に控えた男性(78)の北名古屋市の自宅に、75歳以上のドライバーが免許更新時に義務づけられている認知機能検査の案内はがきが届いた。

 男性は買い物や通院で毎日2時間ほどハンドルを握る。車は日常生活に不可欠なため、すぐに自動車教習所で検査を申し込んだが、予約がいっぱい。4月にようやく受検できたが、免許更新に必要な高齢者講習も直近に空きはなく、6月22日に受講することになった。更新期限まであと9日に迫っていた。

 そんな折、5月下旬に胃にポリープが見つかった。医師に早期の手術を勧められたが、高齢者講習を優先して入院を遅らせることに。痛み止めを飲んで受講した男性は「講習では緊張して余計におなかが痛かった。更新に半年もかかるなんて」と不満をあらわにした。

■平均65日

 従来は認知機能検査に続いて同じ日に高齢者講習を受講することができたが、昨年3月の改正道路交通法施行で認知機能検査が強化された結果、検査と講習を別の日程で受けなければならなくなった。

 手続きが煩雑になった上、県内で昨年に認知機能検査を受けた高齢ドライバーは全国最多の12万1036人。検査と講習を実施する教習所には予約が殺到し、予約から検査までの本県の平均待ち日数は65・1日と全国の49・6日を大きく上回る。

 県内の教習所からは「指導員が足りない」(東海自動車学校)、「朝から『なぜ予約がとれないんだ』とひっきりなしに叱られる」(尾西自動車学校)と悲鳴が上がる。多くの教習所に予約の電話をかけた結果、予約をとれた教習所がわからなくなり、受検当日に教習所を間違える高齢者もいるという。

 高齢者講習も同様に予約待ちが常態化している上、県警は2024年のピーク時には昨年の2倍以上の約32万人が受講すると推計しており、県警運転免許課の担当者は「このままでは有効期限内に免許更新ができない状況になってしまう」と危機感を募らせる。

■過信と衰え

 一方、30分間の筆記テストで記憶力と判断力を測定する認知機能検査を巡っては、「検査をパスしても安全に運転できるとは限らない」と効果を疑問視する声があがっている。

 茶屋坂自動車学校(名古屋市千種区)で高齢者講習の講師を務める男性(66)によると、校内のコースで一時停止を怠った高齢ドライバーに注意すると、「停止線で止まっても、歩行者が見えないじゃないか」と言い返されることがあるという。男性は「若者に比べ、自分の運転への過信ぶりが目立つ」と危ぶむ。

 MS&ADインターリスク総研(東京)によるアンケート調査では、80歳以上のドライバーの72%が「自分の運転に自信を持っている」と回答し、全年代で最も高かった。高齢者の運転能力に詳しい名城大の中野倫明教授は「車の運転では一度に複数の判断と動作が求められるが、高齢者はとっさの反応ができない。能力の衰えを自覚させる対策が必要だ」と指摘する。

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33869 0 輪禍を防げ 第2部 2018/07/25 01:00:00 2018/07/25 01:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180721-OYTAI50005-T.jpg?type=thumbnail

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