<5>斜め白線事故減らす

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横断歩道を斜めに引く作業員ら(11日、名古屋市熱田区の沢上交差点で)=橘薫撮影
横断歩道を斜めに引く作業員ら(11日、名古屋市熱田区の沢上交差点で)=橘薫撮影

■横断歩道塗り直し

 名古屋市熱田区の沢上交差点に11日、ユニークな横断歩道がお目見えした。車道と直角に引かれていた横断歩道が消され、代わりに車道を左斜めに横切るように塗り直された。

 交差点で右左折するドライバーから見て、横断歩道が右奥から左手前に斜めに設置されていれば、一般的な横断歩道より、安全確認すべき範囲が狭くなる。年齢とともに視野が狭まり、歩行者の発見が遅れがちな高齢ドライバーの事故防止に一役買うと、この「斜め横断歩道」が注目を集めている。

■事故3分の1に

 考案したのは熱田署交通課の伊藤豊巡査部長(52)。8年ほど前、車を運転して交差点を右折しようとした際、対向車に気をとられ、横断歩道を歩く人に気付くのが遅れた。事故に至らなかったが、このヒヤリ体験から「ドライバーが歩行者を見落とさないような横断歩道を作れないか」と考えるようになった。

 当時は、県内で新たにできた交差点に足を運び、信号機を設置する業務に携わっていた。ドライバーから見やすい信号機の位置を試行錯誤していたある日、アイデアがひらめいた。「横断歩道を斜めにしたら、歩行者を見つけやすくなるのでは」

 県内で人身事故の多い交差点100か所の航空写真を集めて見比べると、交差点の形状によって横断歩道が引かれる角度はまちまちだった。そこで過去3年間の人身事故を調べたところ、一般的な横断歩道は平均4・25件だった一方、左斜めの横断歩道は2・66件にとどまることがわかった。

 これを受け、県警は2012年秋、あえて斜めにした横断歩道を東郷町の交差点に全国で初めて導入。人身事故が3分の1程度に減少するなど効果が確認されたことから設置が進み、沢上交差点が県内32か所目となる。

 伊藤巡査部長は「安全確認の際、首をさほど振らなくても歩行者が自然と視界に入る。お年寄りの事故のリスクが減るはず」と話す。

■安全に特化した講習

 高齢ドライバーによる事故を抑止する取り組みは警察だけにとどまらない。国立長寿医療研究センター(大府市)は、高齢者が安全に運転できる期間を延ばす「運転寿命延伸プロジェクト」を進めている。

 同センターの研究によると、運転をやめた高齢者は運転を続ける高齢者に比べ、要介護になるリスクが7・8倍に高まる。そこで、同センターは運転習慣を持続させることが、高齢者の健康につながると提唱。名古屋市内の自動車教習所と共同で、高齢者の運転の安全性を向上させる講習カリキュラムを考案した。

 主な内容は教習所の指導員による実車教習で、通常の免許教習とは異なり、安全運転に特化。アクセルとブレーキの踏み間違いを体験させたり、見通しの悪い場所を走行するなどして危険を予測させたりする。高齢ドライバー160人を対象に検証した結果、カリキュラムの受講者は判断力や注意力が大幅に改善した上、1年後も効果が持続したという。

 カリキュラムは今年度中に宮崎県内の教習所6か所で採用されることになった。同センターの島田裕之・予防老年学研究部長(47)は「生活の一部である運転をやめさせたら、体が衰えるのは当然。運転技能を取り戻させることで、お年寄りの生活を守ることを考えるべきだ」と訴える。

無断転載禁止
33880 0 輪禍を防げ 第2部 2018/07/27 05:00:00 2018/07/27 05:00:00 従来の横断歩道を斜めに引き直している作業員ら(11日午後2時15分、名古屋市熱田区で)=橘薫撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180721-OYTAI50012-T.jpg?type=thumbnail

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