信長側室の菩提寺消えゆく 老朽化で廃寺

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ドローンで撮影した久昌寺(ドローンシティ江南提供)
ドローンで撮影した久昌寺(ドローンシティ江南提供)

 織田信長の側室・ 吉乃きつの の生家、生駒家の 菩提ぼだい 寺「 久昌寺きゅうしょうじ 」(江南市)で9日、本堂と庫裏の取り壊し工事が始まった。老朽化が激しく、生駒家を中心とした 檀家だんか が存続の道も探ったが断念。信長ファンらも訪れるゆかりの歴史の地が、また一つ消えた。

 江南市史によると、生駒家は江南に城を構え、江戸時代は尾張藩士として藩の中枢を担った。吉乃は生駒家3代目家長の娘で、信長に見初められ、信忠、信雄、徳姫をもうけた。寺の名前は、吉乃の戒名の「 久菴桂昌きゅうあんけいしょう 」から久昌寺と名付けられた。

 生駒家19代当主の生駒英夫さん(48)によると、現存する本堂は1925年の建築で、約60年前から住み込みの住職はおらず、生駒家を中心とした約10軒の檀家で宗教法人を作り、維持管理を続けてきた。

 東日本大震災を受けて、江南市側から本堂と墓地の耐震化の依頼があったため、2013年、14年、企業や宗教法人などに寺の運営を打診するなど、存続の道を探った。

 生駒家も、一般社団法人「生駒屋敷歴史文庫」(名古屋市北区)を設立、久昌寺に関わる文献・資料などを収集してきた。しかし、建物の傷みはかなり激しく、改修には多額の資金が必要なこともあり、引き取り手を見つけることはできず、廃寺を決めた。

 工事フェンスで囲まれた現場を訪れた生駒さんは「建物を残すことができず、久昌寺に思いを寄せてくれた人たちには本当に申し訳ない」と言葉を絞り出した。今後は、跡地にお堂を建てて、寺の本尊や吉乃らの 位牌いはい などを安置する計画だという。生駒さんは「時代が変わって、志ある人が再建したいと名乗り出る時が来るかもしれない。記録を後世にきちんと残したい」と話していた。

ドローンで撮影映像公開

 久昌寺の建物やたたずまいを映像として残そうと、ドローンでまちの魅力を伝える江南市の市民団体「ドローンシティ江南」が、久昌寺を撮影した。映像は市に寄贈するほか、ユーチューブでも公開している。

 ドローンシティ江南の尾関健代表(48)とプロドローンカメラマンの 小澤こざわ諒祐りょうすけ さん(18)が「歴史的建造物はなくなると二度と見ることができない。せめて映像として残したい」と企画。8人のドローン操縦士が今月4、5日、約10時間かけて撮影。取り壊される本堂や庫裏の外観・内観をはじめ、鳥の目で見るかのような高所などから撮影。寺の瓦一枚一枚までが見える高解像度の映像で見ることができる。

 メンバーが撮影した映像はユーチューブ(「ドローンシティ江南 久昌寺」で検索)で見られる。

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