男女共同参画に取り組む 佐藤加代子さん66(秋田市)

性別に関係なく 自分らしい生き方を

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県中央男女共同参画センター長 佐藤加代子さん
県中央男女共同参画センター長 佐藤加代子さん

 県中央男女共同参画センターで県内の男女から寄せられる悩みごとに向き合ってきた。2011年4月から同センター長を務める。

 「家庭と仕事の両立がうまくいかない」「妻を殴ってしまいそう」。同センター相談室の電話には毎日、切実な悩みが寄せられ、専門のカウンセラー2人が受けている。夫婦・親子関係、家庭内暴力、からだや性の問題……。必要に応じて面談を設けたり、法律の専門家を紹介したりする。夫からの暴力から逃れるため、避難する母子の引っ越しを手伝った例もある。

 相談内容の多くは、配偶者や両親ら家族や近しい人との関わり方だ。「男性はこうであるべきだ」「女性はこうしなくては」という性別役割分担の意識が根強く残っていることが悩みの背景にある。同センターでは悩みを丁寧に聞きとり、近しい人に対する自分の考えの伝え方などを助言する。

 自分も「男は仕事、女は家庭」という考え方に苦しんでいると気付いたのは主婦だった40歳代の時だ。2人の子育てに追われる毎日に疲れ果て、「母親として失格では」と思い詰めた。

 家族にもうまく相談できずにいた時、北京で開かれた世界女性会議(1995年)で各国の女性が提言し、社会に影響を与えているという新聞記事を目にした。「私も自分の言葉で、考えを伝えられるようになりたい」。子育てで縁遠かった本を読むようになった。

 勉強を重ねるうちに、自分の力を、家庭だけでなく社会で発揮したいと考えるのは、性別にかかわらず自然なことと受け止められるようになった。10年ほどミニコミ誌の発行などの活動を重ね、55歳だった2007年に男女共同参画を目指すNPO法人の設立に携わった。09年から県の委託を受けて同センターを運営する。

 女性が社会に進出するのが当たり前の世の中になったが、助けを求める人の多くは女性で、今も「子育てや家事は全て自分がやらなくては」と思い込み、頑張っている。「若い人が依然として性別役割分担に苦しんでいる」と懸念する。男女共同参画に携わる自分さえも最近まで、母親の介護は「長女の自分がやるべきだ」と抱え込んでいた。

 一方、育児や家事に積極的な「イクメン」「カジダン」と呼ばれる男性が少しずつ増え、男性からも家庭の相談を受けるようになった。子育てや介護など、家庭のことが女性だけの問題ではなくなってきたと実感する。「固定的な役割分担は人間としての体験や成長の機会を逃すことになる。役割意識を解消し、性別に関係なく誰もが自分らしい生き方ができる社会を実現したいですね」と力を込める。

(山田佳代)

無断転載禁止
24882 0 ことばの肖像 2018/06/04 05:00:00 2018/06/04 05:00:00 県中央男女共同参画センター長 佐藤加代子さん https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180605-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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