うつに悩む人の集会を開く 堀政利さん69(秋田市)

仲間と話し合えば 心の支えになる

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うつコミュニティ秋田、堀政利さん(秋田市)69歳(10日午後4時41分、秋田市山王で)=杉本和真撮影
うつコミュニティ秋田、堀政利さん(秋田市)69歳(10日午後4時41分、秋田市山王で)=杉本和真撮影

 秋田市内で毎月1回、うつ病の患者やその家族らで集まり、気分転換の方法や悩みを語り合う集会を開く団体「うつコミュニティ秋田」の代表を務める。自らも長年にわたってうつに悩まされた一人だ。「症状が軽くなったと思っても、なかなか全快しないのがうつのつらさ。私たちは医者ではないが、一つでもヒントをつかんでもらえればと思っています」

 来年3月で活動10周年を迎える。これまでの活動で、延べ人数で20~70歳代の600人以上が参加し、症状を和らげる知恵を出し合ってきた。

 秋田市出身で、高校卒業後に東京都内の専門学校で観光業を学び、外資系旅行会社に就職した。約20年間、アジア各国で現地駐在員として海外生活を送った。「ホテルの予約が取れていない」「バスが空港に着かない」――。昼夜を問わずにトラブル解決に当たり、激務だったが、やりがいがあった。

 40歳を過ぎた頃、突然体調を崩した。「仕事のことが頭にこびりつき、夜中にバッと目が覚めるんです」。睡眠が取れず、体の疲労はたまるばかり。食欲は失せ、親しい人にも会いたくない。頭の中にもやがかかったようだった。仕事も手につかず、半年ほどの休職を経て退職。失意の中、秋田市内の実家に戻った。

 症状を軽くするのに役立ったのが、日記を書くことだった。たまたま読んだ本で知って始めた。頭に悩みが浮かんだら、全てをノートに書き記す。数か月後にノートを見直すと、分量こそ多いものの、同じ内容が繰り返されていた。「自分の悩みはこんなに少なかったのか」。実は不安の連想の輪の中にいるだけだと思うようになり、霧が晴れたようだった。5年ほどで症状も落ち着き、再び働き始めることができた。

 60歳を迎えた2008年、うつ患者らが集まって話ができる場を作ろうと、東京在住のジャーナリストが発起人となってうつ患者の会が発足されることを知った。「自分の経験を人のために役立たせたい」と翌09年の設立時から活動に携わり、現在はボランティア5人で運営している。

 活動の中で、気づいたのは、うつを抱える人が焦って早く社会に復帰しようと急ぎ、薬で「なんとなく」治った気になって再発するケースが多いこと。大切なのは、症状を抑えるための自分なりの方法を見つけておくことだ。映画を見る、ラジオ体操をする、大声で笑う、日記をつける――。仲間と話し合えば、心が穏やかになる方法が見つかったり、仲間がいることが支えになったりすると感じている。

 「集まりに参加し、自分が孤独でないと思えるだけでも楽になれる。まずは気軽に参加してほしい」。集まりを必要とする人のために今後も活動を続けていくつもりだ。

(杉本和真)

無断転載禁止
25806 0 ことばの肖像 2018/06/10 05:00:00 2018/06/10 05:00:00 うつコミュニティ秋田、堀政利さん(秋田市)69歳(10日午後4時41分、秋田市山王で)=杉本和真撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180612-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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