地元に貸し切り宿泊施設をオープンさせた 鈴木了さん30(八峰町)

郷里の空き家を改修し もっと人を呼び込みたい

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空き家のデザイナー 鈴木了さん(八峰町)(10月9日午後0時19分、八峰町八森で)=大塚健太郎撮影
空き家のデザイナー 鈴木了さん(八峰町)(10月9日午後0時19分、八峰町八森で)=大塚健太郎撮影

 眼下に日本海が広がる八峰町八森地区の岩壁の上に今年7月、一組貸し切り用のコテージ風宿泊施設「CRANDS(クランズ)」をオープンさせた。「泊まれる大人の秘密基地」がコンセプトで、バーベキューやまき風呂などのアウトドアを体験できる。室内にはまきストーブなどがあり、おしゃれな空間が好評で、25日現在、県内外から71組292人が宿泊した。

 「白神山地やハタハタをよく知らない人も来てくれる。秋田県や八峰町に興味を持つ場所にしたい」と話す。

 八峰町に生まれ、高校卒業まで過ごした。大阪の大学で住宅建築を学び、東京のハウスメーカーに就職。仕事にやりがいを感じていたが、帰省するたびに空き家や空き店舗が増えて、にぎわいを失っていく町のことが気になり、「なぜ東京で働いているんだろう」と思っていた。

 入社5年目の時、妻の妊娠がUターンを考えるきっかけになった。都会で共働きしながらの子育てに不安があり、地元への移住を意識する一方、「町に戻っても仕事があるのか」という心配もあった。都内の移住相談イベントで八峰町の担当者に相談すると、地域おこし協力隊を勧められた。「負の遺産と思われている空き家をリフォームして、新たな魅力に変えてほしい」という町の担当者に後押しされ、2016年1月から同隊員となった。

 約2年間の同隊の任期中、力を入れたのが、移住希望者向けの空き家リフォーム体験だ。他の移住体験ツアーとはひと味違い、実際に空き家の一部の改修をしてもらう。「自分で改装した家なら、愛着がわくはず」と狙いが的中し、参加者の中には実際に改修した空き家に移住した人もいた。

 Uターンして驚いたのは、「地元を盛り上げたい」と考える仲間が町に多くいたことだ。その一人、木工職人の須藤和彦さん(34)と出会ってユニットを組むようになり、家具やインテリアを自作するDIYのワークショップなどを手がけた。現在は2人で空き家のリノベーションなどを行っている。

 活動に協力したり支援したりする人たちに助けられている。宿泊施設のクランズを作る際、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングを活用したところ、当初の目標を超える287万円の支援が集まった。町内の酒蔵「山本合名」も、宿泊客向けの限定酒を提供するなどして支援してくれた。

 今後は、町に残る空き家をクランズのような「非日常を体験できる施設」に変えていくことで、「町の交流人口を増やしたい」という。「海と山に囲まれ、豊かな自然がある八峰町に、潜在的な魅力はたくさんある。訪れたくなるきっかけを作り、もっと人を呼び込みたい」と屈託のない笑顔で話した。

(大塚健太郎)

無断転載禁止
51151 0 ことばの肖像 2018/11/26 05:00:00 2018/11/26 05:00:00 空き家のデザイナー 鈴木了さん(八峰町)(10月9日午後0時19分、八峰町八森で)=大塚健太郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181127-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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