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 由利高原鉄道(由利鉄)の矢島駅売店。変わらぬ笑顔が出迎えてくれた。

 その人は、同駅売店「まつ子の部屋」を営む佐藤まつ子さん(71)。お客さんにお茶を出してもてなしながら人生相談や恋愛相談に乗る名物店主だ。転職すべきかどうか迷っていた6年前の冬、一人旅で由利鉄に揺られ、立ち寄ったのがご縁だ。不安を打ち明けると、まつ子さんは「目標があるなら本気で頑張れ。そうすれば、必ずかなう」と励ましてくれた。

 まつ子さんの言葉に勇気をもらい、翌2013年の春、今の会社に入社。縁あって、7月に秋田支局へ配属された。秋田では、取材や日々の生活を通して出会いに恵まれた。地元農産物の価値向上に取り組む生産者、スポーツの魅力を子供たちに伝える五輪メダリスト、栄養のある定食を出してくれた居酒屋店主……。良いご縁をいただいた。

 横手駐在を挟んだ秋田での日々が飛ぶように過ぎ去り、11月1日付で東京本社へ異動が決まった。お世話になった人たちにあいさつして回るうちに、懐かしい笑顔が目に浮かんだ。まつ子さんだ。

 着任して一度は会いに行ったものの、ここ3年ほどは手紙はおろか、電話さえしていなかった。元気にしているだろうか? 矢島駅へと車を走らせた。

 朗らかな笑顔で迎えてくれたまつ子さん。「秋田での学びを無駄にせず、東京で階段を上がるんだ」と、グッと手を握ってくれた。人生の岐路で迷っていたあの時も、まつ子さんに手を握られ、温かみを感じて、なぜか泣けてきたのを思い出した。

 秋田で出会った人たちの思い、優しさに背中を押され、ここまで来られた。今度は笑って旅立てる。

(坂野貴)

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