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秋田の人々 粘り強く前へ

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 「山本」の銘柄で知られる酒蔵「山本合名」(八峰町)で社長を務める山本友文さんは、異色の経歴の持ち主だ。

 能代高を卒業後、父親の反対を押し切って渡米。奨学金やアルバイトで学費を賄いながら、機械工学を学んだ。帰国後は、東京の音楽事務所で働いたが、親族に相次いで不幸があり、蔵を継ぐため2002年、地元に帰った。

 明治34年(1901年)から続く酒蔵の経営状況は当時、想像していたよりもずっと、ひどいものだったという。給料が出ないばかりか、貯金を取り崩す生活で、父親は蔵をたたむことも考えた。しかし、山本さんは「親族の弔いもあり、100年以上続いた蔵を途絶えさせる選択肢はなかった」と振り返る。

 07年、一念発起して酒造りに携わるようになった。酒造りを学ぶため、師事したのは「ゆきの美人」で知られる秋田醸造(秋田市)の小林忠彦さん。これが縁となり、県内の五つの蔵が参加する「NEXT(ネクスト)5」の活動につながっていった。共同で醸す日本酒は高い酒質を実現。建築士ら異業種のプロフェッショナルと連携するなどの仕掛けも受けて人気に火がつき、全国から注目を集めるようになった。

 県内では今、高齢化、後継者不足など、簡単には解決できない課題があふれている。しかし、秋田の人々は、苦労の上に創意工夫を重ね、力を合わせて少しずつ状況を改善させてきた。地道な活動は地域を盛り上げ、土地の文化をさらに魅力的なものへと昇華させている。何事も諦めず、粘り強く前へと進む秋田の人々の営みは、きっとこれからも続いていくと信じている。

(山田佳代)

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