《上》 TV出演 一躍全国区

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ユネスコ無形文化遺産登録が決まり、男鹿市役所に集まった市民らと一緒に喜ぶナマハゲ(11月29日)=関口寛人撮影
ユネスコ無形文化遺産登録が決まり、男鹿市役所に集まった市民らと一緒に喜ぶナマハゲ(11月29日)=関口寛人撮影
テレビ番組に出演した際、司会者(後列左端)と記念撮影する倉貫さん(後列左から2人目)ら=倉貫さん提供=
テレビ番組に出演した際、司会者(後列左端)と記念撮影する倉貫さん(後列左から2人目)ら=倉貫さん提供=

 高度成長に沸く1960年代。男鹿のナマハゲは、植木等やザ・ピーナッツなど当時のスターが出演した日本テレビの人気番組「シャボン玉ホリデー」に登場して一躍、全国に知られる存在となった。

 「年の瀬に、東京行きの夜行列車に乗ってね」。男鹿市の脇本駅前町内会長の倉貫由雄さん(80)は、番組出演で上京した日を懐かしむ。集落の仲間と乗った列車には、長旅に飽きてグズる子供がいた。もてあます親を見かねた仲間の一人が網棚の風呂敷包みから面を取り出し、「悪い子はいねがぁ」と一にらみすると、子供は二度とグズることはなかった。

 「男鹿でなくても通用するんだなと愉快な気持ちになった」と倉貫さん。番組では、囲炉裏を置いた本格的なセットが設けられ、夫婦と子供2人の家族がだんらんするところへ、角や牙を生やした異形の面の男たちが乱入する様子がブラウン管を通じて放送され、ナマハゲはお茶の間の人気者になった。

 何より、子供も大人も震え上がらせる迫力が受け、倉貫さんらの集落には、年の瀬を迎える度にテレビ局からの出演オファーが舞い込んだという。

 ナマハゲ行事に詳しい関西学院大の八木康幸教授によると、50年代頃、子供に人気の学習雑誌でも、珍しい風習としてナマハゲが取り上げられた。60年代には男鹿半島内を周遊できる幹線道路が開通して観光客が増え、ナマハゲ人気にあやかって、地元では土産物や店舗の名称に「ナマハゲ」を取り入れる店も増えた。

 入道崎の海鮮料理店「なまはげ御殿 ニュー畠兼」もその一つ。「お客さんの反応は良く、売り上げも上がった」と店主の畠山光義さん(70)。ナマハゲが“男鹿の顔”になったことを実感した。

 ただ、異形の面を着け、大声を出して家々に上がり込む姿がテレビで強調されるあまり、誤解も生じた。「野蛮だ」「子供を脅し、泣かせている」といった視聴者の苦情が寄せられるようになった。

 そこで、行事の歴史や文化を正しく学んでもらうため、96年に「男鹿真山しんざん伝承館」が、99年に「なまはげ館」が相次ぎオープン。2004年には「ナマハゲ伝導士認定試験」も始まった。これまでに北は北海道から南は沖縄県と幅広い受験者が集まり、約1300人の「伝導士」が誕生した。

 地元では、テレビや雑誌だけでは分からない、本当の魅力を伝える取り組みが続いている。

無断転載禁止
61378 0 ナマハゲの叫び 2018/12/29 05:00:00 2018/12/29 05:00:00 ユネスコ無形文化遺産登録が決まり、喜ぶ「男鹿のナマハゲ」と関係者ら。国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の政府間委員会は、「男鹿のナマハゲ」(秋田県)など8県10行事からなる「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録することを決めた。秋田県の男鹿市役所で。2018年11月29日撮影。 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190107-OYTAI50017-T.jpg?type=thumbnail

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