《中》 訪日客へ 正しく文化発信

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編み上がった衣装を手に、笑顔を見せるブラジル人留学生ら
編み上がった衣装を手に、笑顔を見せるブラジル人留学生ら

 男鹿市の船川港を望む高台に立つ増川八幡神社を、長髪であごひげを蓄えた外国人ら5人の一行がお参りしていた。しんしんと雪の降る今月15日。一行を案内していたのが、増川地区でナマハゲ行事の伝承に取り組む佐藤龍男さん(78)だ。

 神社には、毎年の大みそかにナマハゲたちが参拝する。「神様に代わり、これから皆に幸せを届けに行きます」と伝え、地区の家々へと出発する場所だ。古式にのっとり拝礼した一行はブラジル出身で、東北大の留学生や国内で働く会社員。初のナマハゲ体験への期待で胸を躍らせていた。

 さっそく公民館へ場所を移し、体験会がスタート。佐藤さんらの指導を受け、ナマハゲが着る稲わらを編んだ衣装を作った。完成した衣装に袖を通し、面を着けると、「ウオー」と雄たけびを上げるなど、一行はすっかりナマハゲになりきっていた。参加者の一人、マリナ・ナシメントさん(26)は「怖い顔をしたナマハゲは神なんですね。地元の人たちの、ナマハゲを尊敬する気持ちが分かりました」と、少し真顔で話した。

 こうした外国人を対象にした体験ツアーは、仙台市の広告会社が、増川地区など受け入れに応じた地区の協力を得て実現。今回はその第1弾だ。企画に携わった同社員で秋田市出身の伊藤愛発なりときさん(30)は「観光用の『ショー』ではなく、伝統文化を肌で感じてもらえるのがツアーの魅力だ」と狙いを語る。

 訪日外国人(インバウンド)の間では今、訪問先の地域ならではの体験を望む「コト消費」の傾向が強まっている。男鹿半島では、風光明媚めいびな入道崎、日本海の荒波がもたらす海の幸と魅力が満載な中でも、人気の中心はナマハゲだ。等身大の人形などを展示する「なまはげ館」では、2017年度の外国人入館者数は6861人と、前年度の倍になっている。

 男鹿市では9月、ナマハゲを目当てにやって来る外国人をもてなそうと、国際教養大卒で英語が堪能な大橋修吾さん(24)を地域おこし協力隊員として迎えた。来年2月8~10日に開かれる「なまはげ柴灯せどまつり」では外国語のできるスタッフを複数人そろえ、行事の歴史や文化を正しく伝える取り組みの強化を図るとしている。

 国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を機に、より一層、世界から注目される存在となったナマハゲ。その魅力を余すところなく伝えられるか、地元の腕の見せどころだ。

無断転載禁止
61392 0 ナマハゲの叫び 2018/12/30 05:00:00 2018/12/30 05:00:00 編み上がったケデを持ち、笑顔を見せるブラジル人観光客たち(15日、男鹿市船川港増川で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190107-OYTAI50019-T.jpg?type=thumbnail

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