《下》 伝統の灯 若者に継承

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行事当日を控え、迫力ある動きを身に付けようと、地区のベテラン(右)に稽古をつけてもらう古谷君(29日)
行事当日を控え、迫力ある動きを身に付けようと、地区のベテラン(右)に稽古をつけてもらう古谷君(29日)

 今や国内外に知れ渡るナマハゲ。しかし、深刻な担い手不足に陥っているのが内実だ。次代へつなぐための模索が始まっている。

 きょう31日夜、約25年ぶりに行事が復活するのが男鹿市払戸小深見地区だ。中心になったのは、木元義博さん(59)と中学時代の同級生3人。12月に入ってから仕事の合間に地区の公民館へ集まり、稲わらを編んだ衣装の準備を進めてきた。

 「町内全戸を回るのはきつい。無理をすれば負担になって続かない」と木元さん。まずは地区の一部世帯を回るところから始めることになった。

 ナマハゲといえば、家族がだんらんする家々に上がり込み、訪問を受けた家庭は酒を振る舞い、もてなすのが伝統。しかし木元さんらは11月、戸別にアンケートを配り、ナマハゲの受け入れの可否などを尋ねた。玄関先はいいが、居間に上がられるのは困るといった住民感情への配慮がある。

 一方、ナマハゲにふんする男衆も、訪問先を確定させておくことで、時間配分を決めて家々を効率良く回り、“家族サービス”など自身の時間を確保できるようにとの工夫でもある。木元さんは「若い人たちに参加してもらうため、家族の理解と協力は欠かせない」と説明する。

 1970年代には男鹿市内の9割方の地区で行事が実施されたが、昨年の実施率は6割を切った。20、30歳代の若い世代の流出や高齢化が要因だ。ナマハゲにふんする男衆は従来、20歳以上の成人だが、“若年化”を進め、将来の担い手として中学生や高校生を巻き込んで行事を次代へつなごうとする地区が複数出ている。

 船川港女川地区では行事の伝承を目的に、ナマハゲを補佐する「袋持ち」役を中高生に任せている。昨年から参加した中学2年の菅原拓海たくみ君(13)は「地区の先輩方のあいさつや作法を間近で見て、行事の歴史に興味が湧いた」と目を輝かせた。

 北浦湯本地区では高校生をナマハゲ役に起用している。2年前から加わった高校3年の古谷竜星こたにりゅうせい君(18)は「ナマハゲになることは小さい頃からの憧れであり、誇り。ユネスコの登録で、より多くの人に注目されるはず。僕たちの世代がしっかり支えたい」と口元を引き締めた。

 少年たちに自覚を高めてもらう上で、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録は何よりの追い風だ。

 受け継がれた伝統の灯は小さく細いかもしれない。しかし、着実にともし続ける若者たちがいる。男鹿ではこの大みそかも、ナマハゲの雄たけびが響き渡る。

(この連載は、石間亜希、藤本宏、大塚健太郎が担当しました)

無断転載禁止
61398 0 ナマハゲの叫び 2018/12/31 05:00:00 2018/12/31 05:00:00 集落の先輩にナマハゲの四股の踏み方を教わる古谷さん(左)(29日、男鹿市北浦湯本で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20190107-OYTAI50020-T.jpg?type=thumbnail

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