鳥海山望みのんびりと<由利高原鉄道>
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「ゆりてつ」と呼ばれ親しまれる由利高原鉄道(由利本荘市)。「鉄印」は矢島駅でもらえる。列車は紅葉が駆け足で降りてくる鳥海山麓を走る。



全線23キロ12駅
同市や県が出資する第3セクターの同鉄道が1985年10月、国鉄・矢島線(羽後本荘―矢島)を引き継いだ。「鳥海山ろく線」と改称され、「由利鉄」の愛称で親しまれる。
全線23キロに12駅あり、有人駅は両端とタブレット交換を行う中間点の前郷駅だ。タブレットは単線区間に複数の列車が入らないようにする通行許可証。この駅ですれ違う相手列車からタブレットをもらわないと先に進めない。かつては全国で見られたが、信号制御などに置き換わり、今や国内では珍しい光景となった。
おばこ姿で案内
矢島駅午前9時40分発と、折り返しの羽後本荘駅同10時43分発の毎日1往復は「まごころ列車」が走っている。
かすりの着物をまとった秋田おばこ姿のアテンダントが鳥海山など車窓の眺めを案内してくれ、乗車記念品ももらえる。
春はおひな様やこいのぼり、夏は七夕、冬はクリスマスと、季節によって飾りが施され、子ども向けの車内イベントも開かれる。秋は「かかし列車」(9月下旬~10月上旬)と「ハロウィン列車」(10月中~下旬)が運行される。
子どもも楽しく

内装に木材をふんだんに使った鳥海おもちゃ列車「なかよしこよし」は、1日原則2往復する。子どもが木のおもちゃで遊べるコーナーを備えた豪華列車だ。
鮎川駅そばの「鳥海山木のおもちゃ美術館」が2018年にオープンするのに合わせて作られた。ダイヤに連動した無料シャトルバスが同駅と美術館を結ぶ。入館料と1日乗車券をセットにした沿線満喫おもちゃ切符も販売している。
(由利本荘通信部 永山太一)
各地域の「鉄印帳を携えて」も読めます。