横手の中山人形指定へ 県伝統的工芸品 25年ぶり9件目
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横手市で明治時代から作り続けられている土人形「中山人形」が、県を代表する工芸品として価値を認められ、25年ぶり9件目の県伝統的工芸品として指定されることが決まった。25日に指定書が交付される予定。
県によると、中山人形は明治時代中期、平鹿町中山地区(横手市)にあった中山窯で、現在も続く樋渡人形店の初代・樋渡ヨシさんが作り始めたとされる。赤・黄・黒の原色を効果的に使った色付けと
県伝統的工芸品の指定制度は、工芸品の社会的価値を高め、産業振興と後継者育成につなげるのを目的としている。指定を受けるには、▽おおむね100年の歴史を持つ▽伝統的な技術や技法で作られている▽手仕事である――など厳しい要件が定められており、1995~96年に指定された8件は、曲げわっぱ(大館市)や
中山人形は昨年11月中旬、商工団体や学識経験者などで構成される委員会で「指定相当」とされた。県の担当者は「伝統的な技法を守って、地域を代表する工芸品として作り続けられていることが評価された」としている。
樋渡人形店5代目で、県内唯一の職人の樋渡徹さん(62)は「私個人というよりは先祖が築き上げたことが評価されたと思う。古い人形の色付けなどを研究しながら、今後もこつこつと仕事を続けていきたい」と語った。