サッカー写真 理想探求

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「フリーなので定年はありません」と笑う今井さん。まもなく72歳になるが、ベストショットを追い続ける(11日、フクダ電子アリーナで)
「フリーなので定年はありません」と笑う今井さん。まもなく72歳になるが、ベストショットを追い続ける(11日、フクダ電子アリーナで)

 サッカーJ2・ジェフユナイテッド千葉がリーグ戦で7連勝し、プレーオフ進出を決めた11月19日、抱き合って喜ぶ選手たちの姿を、間近で追うカメラがあった。ファインダーをのぞくのは、チームの公式カメラマン、今井恭司さん(71)。半世紀近くサッカー写真を撮り続け、今夏、日本サッカー殿堂入りした。

 日本サッカー殿堂は、国内サッカーの発展のため、顕著な貢献をした満60歳以上の功労者に認定される。75人の大半を元選手や監督が占める中、カメラマンは初めて。「写真を通じ、日本代表をはじめとした日本のトップチームとファンをつないだ」(日本サッカー協会)と認められた。

 「僕がもらっちゃっていいのかね?」。謙遜交じりに無邪気な笑顔を見せた。

 新潟県生まれの今井さんは、東京写真大(現東京工芸大)を卒業後、フリーカメラマンとなり、1970年代初期からサッカーを撮るようになった。Jリーグ創設のおよそ20年前。当時は野球が人気で、サッカーはマイナースポーツだった。「サッカーを撮っても食べていけず、もちろん先輩はいませんでした」

 試行錯誤しながら挑戦するが、なかなか点が入らず、「つまらない」。誰がどんなシュートを放ち、ゴールにどう入るか、素早い予測が求められるため、当時のカメラではピント調節などが難しかったという。

 だが、72年、日本代表とブラジルの名門サントスFCの親善試合を手始めに、どんどん仕事が舞い込んできた。「やるしかない。どうせなら面白く」と腹をくくった。

 現場にいる自分にしか撮れないベストショットを追い、いつの間にかサッカー漬けの日々になった。選手の表情やボールが写ったゴールシーンを逃すまいと腕を磨いた。

 70歳を超えた今も現場で撮り続ける原動力は何か。尋ねてみると、「サッカー写真は難しいから」と理由を明かしてくれた。いまだにベストショットはないという。「あったらそこで終わり。次はもっと良い写真、かっこいい1枚と追いかけてたら、半世紀たっていた」

 撮影技術も盗みたいところだが、仕事への情熱、考え方、トレードマークの笑顔――。人生の大先輩からは学ぶことがたくさんある。(西原寛人)

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1846 0 記者ノート2017 2017/12/28 05:00:00 2017/12/28 05:00:00 「フリーなので定年はありません」と笑う今井さん。まもなく72歳になるが、ベストショットを追い続ける(11日、フクダ電子アリーナで) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180104-OYTAI50004-1.jpg?type=thumbnail

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