高校生のPR 町にうねり

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釣ヶ崎海岸で稲葉選手(右)を取材する一宮商の生徒たち。ここがサーフィン会場に決まったのは、1年前のこの日だった(2017年12月8日)
釣ヶ崎海岸で稲葉選手(右)を取材する一宮商の生徒たち。ここがサーフィン会場に決まったのは、1年前のこの日だった(2017年12月8日)
一宮商の生徒たちが作成した第1号の冊子
一宮商の生徒たちが作成した第1号の冊子

 2020年東京五輪のサーフィン会場となる一宮町の釣ヶ崎海岸。県立一宮商業高校の生徒たちが昨年12月、プロサーファーの稲葉玲王れお選手(20)を取材していた。

 ――サーフィンの魅力は何ですか?

 「波に乗れた時の喜びかな。自然が相手で、同じ状況には絶対にならないから」

 ――これまでで一番怖かったことは?

 「信じられない高さの波が来た時。大波は好きなんだけどね」

 五輪で初めて正式競技に採用されたサーフィン。町が誘致活動を展開していた16年4月、同校の3年生は「波乗れ一宮プロジェクト」と銘打った活動を始め、今年度は男女7人が参加している。競技をPRする冊子作りは取り組みの一つで、2号目となる今回は地元の稲葉選手に登場してもらうことにした。

 昨年5月、メンバーは地元の子供たちを誘い、釣ヶ崎海岸で国際大会を観戦した。「本当に五輪が来るね」「でも、その割にサーフィンって知られていないよね」。そんな話し合いから、会場に来られなかった町民にも魅力を伝えようと冊子を作ることを決め、優勝した地元の川合美乃里選手(17)を子供たちと取材した。

 7月に初めて発行したB5判4ページの冊子のタイトルは「なみのれた~」。「波に乗れた」と「波のレター(海からの便り)」の意味を込め、インタビュー記事や記者となった子供たちの感想、競技に関するクイズなどを盛り込んだ。「私たちもルールを知らなかった。入り口となるような内容にしようと心がけました」とメンバーの御須みす玲奈さん(17)。約2500部を作成し、町内小中学校の児童生徒全員に配ったほか、商店街を巡って置いてもらった。

 活動は冊子作りにとどまらない。縦1メートル20、横1メートル50の白い旗に親指で7色のハンコを押してもらい、釣ヶ崎と海外の海をつなぐ「虹」を描く企画には町民ら約1300人が参加した。プロサーファーを招いたトークショーも開いた。住民ぐるみで五輪を迎えようと考えたイベントで、経営する町内のカフェに冊子を置く志田延子さん(72)は「店に来るお年寄りたちも手に取ってくれる。高校生に負けないように私たちも五輪をアピールしていかなくっちゃ」と話す。

 開催決定後、町には移住するサーファーや競技を始める地元の子供たちが増えてきた。メンバーたちは冊子第2号の作成に励むほか、サーフィンができる同校の生徒が町民に実技を披露する機会を設けることも検討している。

 「卒業しても、後輩が開くPRイベントを手伝ったり、仲間に参加を呼びかけたりしていきたい。これからも『サーフィンの町』にかかわり続けていく」。メンバーの永野雅人さん(17)には、そんな思いが芽生えてきた。

(羽田和政)

 

 一宮町の人口は約1万2000人。釣ヶ崎海岸は通称「志田下」と呼ばれる世界有数のサーフポイントだ。

 サーフィン競技は複数の選手が一斉に行い、制限時間内に挑んだ技の中で高得点だった2本の合計で勝敗を決める。東京五輪には男女各20人が出場。日本は開催国として、男女1人ずつの枠が確保される見込みだ。

 県内で出場が期待されるのは、いずれも一宮町在住の稲葉、川合両選手と大原洋人選手(21)。稲葉、大原両選手は県の特別強化選手に指定されている。

無断転載禁止
2493 0 裏方たちの2020年 2018/01/10 05:00:00 2018/01/10 05:00:00 五輪を狙う地元の稲葉玲王選手(右端)を取材するビジネス研究班のメンバー。後ろの志田下ポイントでは波に挑むサーファーの姿も(釣ヶ崎海岸で)=羽田和政撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180110-OYTAI50004-1.jpg?type=thumbnail

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