介護 ベトナム人に活路

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森田知事(右)と交流する吉田スクールの生徒たち。壁にはベトナム語と日本語で書かれた「七か条」が掲げられていた
森田知事(右)と交流する吉田スクールの生徒たち。壁にはベトナム語と日本語で書かれた「七か条」が掲げられていた
吉田スクールでは日本での技能実習を目指す多くの生徒が学ぶ(いずれも11月20日、重松浩一郎撮影)
吉田スクールでは日本での技能実習を目指す多くの生徒が学ぶ(いずれも11月20日、重松浩一郎撮影)

 「日本に行く目的は日本人の働き方を学ぶためです」

 ホーチミン市内の一角にある人材育成施設「ESUHAI KAIZEN 吉田スクール」。視察に訪れた森田知事にベトナム人男性が日本語で熱意を語った。教室の壁には〈1〉自分からあいさつする〈2〉自分から返事・反応する〈3〉まず謝る――といった「七か条」が掲げられている。

 日本に技能実習生を送り出すための教育を行っている同校では、日本語だけでなく朝礼から掃除、列の並び方などのマナーまで、約1年にわたって徹底的に教える。生徒はすれ違うと必ず立ち止まって「こんにちは」と一礼。トイレの入り口には「使ったら電気を消す」、洗面台の前には「水が飛び散らないように」と書かれたプレートがあった。

 この男性は日本語を学んで8か月。技能実習生として来月、東京に行く予定という。「3年後に国に帰った時、ベトナムにある日本の会社で管理者になろうと思っています」と話した。

 森田知事がベトナムを訪れたのは、県内の人材不足が特に介護分野で深刻だからだ。厚生労働省によると、県内の介護職員の不足数は2020年度に約1万4600人、25年度には約2万8400人に膨れ上がると見込まれる。県内の外国人労働者のうち、ベトナム人は1万1902人(17年10月末現在)と最多で、県は親日国のベトナムに活路を見いだそうとしている。

 同校が昨年、日本に送り出した技能実習生は1376人と5年前の6倍に上る。レ・ロン・ソン校長(48)は「しっかり教育せず、将来の目標がないまま出稼ぎ目的で日本に行くと(失踪などの)問題が起きる」と施設が担う役割の重要性を強調。「優秀な人材をもっと日本に送りたい」と意気込みを語った。

 ホーチミン市内で別の人材育成施設を運営する「SULECO」社は日本の企業と連携し、来年度の稼働を目指してデイケアセンターの開設準備を進めている。送り出す前に日本水準の介護実習を受けられるようにするのが狙いで、レ・ティ・ミ・ハン社長(38)は「日本人がベトナム人労働者に対して抱くイメージが良くなるよう教育したい」と話す。

 「ただ送り出すのではなく、志を持たせている。こういう施設を応援し、受け入れ環境を整備しないといけないと痛感した」。吉田スクールの視察後、森田知事は記者団にこう述べ、来日後の家賃や日本語教育への財政支援を行う考えを明らかにした。同行した県内の介護事業者も「しっかり教育されていて安心した」と受け入れに前向きだ。

 吉田スクールでも今後、介護に関する教育を始める予定だ。ただ、ソン校長は労働者本人の希望と仕事のミスマッチを防ぐことがカギだと考える。

 「対人関係が重要な介護職は誰にでもできるわけではない。この仕事が好きか、向いているのかを見極めないといけない」

53778 0 外国人材@千葉 期待と不安 2018/12/07 05:00:00 2018/12/07 05:00:00 人材育成施設で学ぶ生徒と交流する森田知事(右)(11月20日、ベトナム・ホーチミンで)=重松浩一郎撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181212-OYTAI50017-T.jpg?type=thumbnail

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