アクアライン通勤一変

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 昨年12月の平日午前6時50分。木更津市金田東に住む会社員の神田真彦さん(36)が自宅の軽自動車に乗り込んだ。東京湾アクアラインを通り、川崎市川崎区の職場に着いたのは午前7時半。夜はさらに早く、30分で帰宅できる。

 神田さんは妻の朋未さん(31)、長女萌佳もかちゃん(3)、長男叶羽とわちゃん(1)の4人家族。川崎区の賃貸マンション(1LDK)から木更津市の一戸建てに越してきたのは2016年10月のことだ。

 萌佳ちゃんが生まれ、マンションが手狭になり、一戸建てを探していると、同市金田地区の住宅販売チラシがポストに入っていた。すぐに見学に訪れ、決めた。

 庭付き4LDKで川崎市の同様物件の半額以下。アクアラインで通勤もできる。

 子育て世代が増加し、地元の金田公民館は子育て講座や住民が交流するコミュニティーカフェを開催。野菜や海産物のおすそ分けや、外で遊ぶ子供の見守りなど昔ながらの近所付き合いもある。夫婦は「木更津に住むとは考えもしなかったが、通勤は楽だし、子育て環境もいい。ここを選んで本当に良かった」と口をそろえる。

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 アクアラインの玄関口にある金田地区は、かつては田畑を耕す傍ら、アサリやノリ漁を行う半農半漁の町だった。それが1997年12月のアクアライン開通で一変した。都市再生機構(UR)と県が土地区画整理事業に乗り出し、三井アウトレットパーク木更津などの大規模商業施設の開業や計画人口計1万7000人の宅地開発が進む。

 13年に4300人弱だった地区人口は年々増加し、昨年4月には5700人を超えた。多くは子育て世代。神奈川県や東京都から転居してきて、アクアラインで通勤する人も多い。

 木更津市の調査では、市内から東京23区と横浜、川崎市に通勤する人は90年には2327人だったが、15年は3846人に増えた。特に、横浜市は3倍、川崎市も2倍となった。

 通勤の足は高速バスだ。アクアライン開通時に4路線だった木更津市発着便は、今は22路線で1日400便近く運行されている。

 県内観光への効果も大きい。毎週末、神奈川・東京方面からアクアラインを通って、東京ドイツ村(袖ケ浦市)やマザー牧場(富津市)などを訪れる客が増えている。

          ◇

 交通網が未発達で都市間の移動が困難だった県内では、平成に入り、館山自動車道など県南部の道路整備が進んだ。首都圏中央連絡自動車道の整備も進む。今後、未開通区間がつながり、アクアラインとの接続がスムーズになれば、より広い地域に企業誘致や観光の効果が広がると期待されている。

 鉄道網も96年に船橋、八千代市を通る東葉高速鉄道が開通。05年には柏、流山市につくばエクスプレスが通り、柏の葉キャンパス駅や流山おおたかの森駅の周辺には新たな街ができた。

 新住民を呼び込み、人々のライフスタイルを変えたアクアライン。木更津を東京湾の玄関口に変えながら、さらなる発展の原動力になっている。

(佐藤公則)

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61173 0 平成から次代へ 2019/01/05 05:00:00 2019/01/05 05:00:00

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