大合併 広がる地域格差

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 昨年5月、印西市の人口が10万人を突破した。市役所市民課を男性が訪れ、女児の出生届を提出。10万人目となった。本庁舎に「10万人達成」の垂れ幕が掲げられ、翌月には記念式典が行われるなど市は祝賀ムードに包まれた。

 同市は、2010年3月、旧印西市と印旛村、本埜村が合併して誕生した。当時の人口は約8万7000人。その後、千葉ニュータウン開発の進展や成田スカイアクセスの開業に後押しされ、人口が増加していった。市企画政策課の担当者は「合併なしに、10万人は達成できなかった」と話す。

 財政も健全化し、17年度の税収は合併直後から3割増加。18年には、財源を補う国の交付金が不要な「不交付団体」になった。

 同市は12年から7年連続で、東洋経済新報社の「住みよさランキング」全国1位を獲得。08年に分譲マンションを購入し、東京から転居してきて夫と娘4人で暮らす小林康子さん(43)も住み心地のよさを実感している一人だ。「大型店が多くて買い物に便利だし、緑が多くて都心にも出やすい」と語る。

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 国が主導した「平成の大合併」で、全国の市町村数は3232から1727に減少した。県内では、野田市が旧関宿町を03年に編入合併したのを手始めに、33市42町5村から36市17町1村に再編。南房総市や匝瑳市など11市1町ができた。

 県によると、00年10月に約592万人だった県人口は、18年10月には約626万人に増えた。しかし、増加率は年々鈍化している。県東部や南部では急速に人口減少が進む自治体もある。

 合併はこうした社会状況を見据え、行政効率化や財政基盤の強化を掲げて進められた。だが、効果が見えにくいとの指摘もある。

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 印西市の旧本埜村地区に住む鳩貝太郎さん(72)は「旧2村は発展から取り残されている」と訴える。旧本埜村は交通の便が悪く、合併前より人口が減った。「若い世代がニュータウンに移り、高齢化が進んだ」。旧印旛村も人口は横ばいだ。

 市は合併の際、住民の意見を施策に反映するため、旧村部に一つずつ地域の課題や要望を話し合う審議会を設置した。鳩貝さんは本埜地区地域審議会の会長を務める。しかし、審議会は合併から10年となる2020年に解散することがあらかじめ決まっている。

 鳩貝さんは「市はニュータウン頼みの開発ではなく、より広い地域が振興する施策に主体的に取り組んでほしい」と望む。

 別の市で合併協議に携わった元自治体幹部の男性も「行政が遠くなった」と感じている。合併前、道路整備などの身近な要望は各地区の議員を通じて行政に届けられていた。しかし、合併後は「効率化」の名目で議員が大幅に減り、各地区から選出されることもなくなったという。

 「うちだけではなく、合併したところはよそも状況は同じだろう」。男性は今でも疑問に思うことがある。「何度も話し合いを重ねてようやく実現した合併も、住民にとってはメリットは少なかったのではないか」(菅彩織理、加瀬部将嗣。おわり)

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61418 0 平成から次代へ 2019/01/08 05:00:00 2019/01/08 05:00:00

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