高齢者見守り 整備急務

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玄関先で談笑する関口さん(左)とサポーターの近藤さん(千葉市美浜区で)
玄関先で談笑する関口さん(左)とサポーターの近藤さん(千葉市美浜区で)

 千葉市美浜区幸町に立つ集合住宅の急な階段を4階まで上る。ドアの前に一つ、小さなゴミ袋が置かれていた。高齢者の見守り活動に取り組む「安心サポートの会」の近藤てる子さん(75)がチャイムを鳴らすと、関口はるさん(98)がドアを開けた。

 「今日はどうですか」と尋ねた近藤さんに、関口さんは「髪がボサボサで」と照れ笑い。「ゴミ、お願いね」。関口さんから頼まれた近藤さんが、集合住宅の外にある集積場に向かった。

 周辺には築40年超の集合住宅が複数あり、住民のうち65歳以上の割合を示す高齢化率が40%を超える住宅もある。「重い荷物やゴミを運ぶのを手伝ってくれるような団体があれば」という住民の声を受け、9年前に同会の活動が始まった。近藤さんのようなサポーター66人が、一帯に住む175人の利用者の生活を支援している。

 役割の一つは安否確認だ。昨年1月には、80歳代の女性宅にゴミが出されていなかった上、応答もなかったことからサポーターが異変を感じ、親族に連絡。室内で倒れていた女性は救出され、一命を取り留めた。

 支援は買い物から電球交換まで幅広い。クリーニング店での洗濯物の受け取りや役所の手続きを頼むこともある関口さんは「腰が痛くて階段の上り下りは大変。とても助かる」と話す。一人暮らしで、「近藤さんとお話ができるのを楽しみにしている」と笑顔を見せた。

 同会代表の五老海いさみ満喜子さん(72)は「『あなたたちのおかげで、ここで頑張れそう』と言ってもらえると、必要とされているんだと感じる」と語る。

 国によると、県内の一人暮らしの高齢者は2015年、約25万8000人に上った。孤独死の恐れは常にあり、東葛地域のアパートでは昨年5月、70歳代の男性が玄関近くで亡くなっているのが見つかった。水道の検針に訪れた担当者が、1か月近くメーターが止まっているのに気づいて市に連絡。職員が駆け付けると鍵が閉まっており、異臭がしたため、県警に通報した。男性は介護や生活保護などの公的サービスを受けておらず、市とのかかわりもなかったという。

 松戸市は独自に孤独死した高齢者の人数をまとめている。それによると、17年は167人。3年前の1・3倍に増えた。

 県は配達や接客などで高齢者とかかわる機会の多い民間企業に対し、ポストに新聞や郵便物がたまっているなどの異変を察知した場合、関係機関に通報するといった協力を求めている。県内の一人暮らしの高齢者が25年に約31万7000人、30年には約33万3000人になると推計される中、見守りの輪を広げることが急務になっている。

488854 1 統一選19 選択を前に 2019/03/14 05:00:00 2019/03/14 05:00:00 2019/03/14 05:00:00 玄関で世間話に花を咲かせる関口さん(左)と近藤さん(3月4日、千葉市美浜区で)=長岩真子撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190314-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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